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解体業者の選び方

解体工事を行う際に必要なお祓いを3つご紹介!

家族や大切な人が住んでいた、もしくは自分が長く生活を営んできた家を取り壊す工事は、出来る限り丁寧に行いたいものです。業者選びや近隣住民への挨拶、役所への届出なども大切ですが、工事の際にお祓いを行うことも忘れてはいけません。例えば新しく家を建てる際には、家を建てる土地の神様に工事の安全を祈願する『地鎮祭』を行います。建築現場に神主が来てなにか作業をしている場面を見たことがある方も多いのではないでしょうか。この『地鎮祭』のように、解体工事の際にも必要なお祓いがあるとされています。最初に挙げたような解体工事に関する手続きなどで後回しになってしまいがちですが、お祓いを行うことでより安心して工事を進めていきましょう。

解体工事に必要なお祓いは主に三種類


解体工事に関するお払いとしては、工事に関するお払いである『解体清祓』、井戸を撤去する際に行う『井戸祓』、仏壇や神棚を撤去する際に行う『魂抜き』があります。ここではこの3つのお祓いについて、依頼の手順やお祓いの方法、必要な費用についてご紹介します。気持ちよく解体工事を進めていくために、内容について把握しておきましょう。


1.解体清祓


古くなった建物を壊す際に行うお祓いが『解体清祓(かいたいきよはらい)』です。この儀式は解体工事を始める前までに行います。基本的には神社の神主に依頼し、取り壊す家の敷地内で行います。

建物の守り神へ向けた儀式


解体清祓ではまず建物を祓い清めます。この祓い清める儀式は古い家屋に宿った「気」を抜くことから『気抜き』とも呼ばれます。「気」が宿ったまま建物を壊すと行き場を失った「気」が障る場合があると言われています。建物を清めたら家屋の守り神に対してこれまで無事に過ごさせてもらったことを感謝し、取り壊しの事情を報告した上で許しをもらった上で、解体工事が無事に終わるように祈願します。

費用


解体清祓にかかる費用は主に3つあり、初穂料・出張料・準備費です。初穂料は神道の儀式において神前に奉納するお金のことで、2〜3万円が相場です。神社によっては解体工事を行う現場への出張費として約1〜2万円かかる場合があります。また、お供え物やお祓いに必要な道具などを準備するために5千円〜1万円程度かかります。合計の費用としては5〜6万円程度かかると考えておくと良いでしょう。


2.井戸祓


古い家屋などを解体する際はその敷地内にある井戸を撤去しなければならない場合があります。井戸を撤去する際のお祓いは『井戸祓』と呼ばれます。

井戸は神聖なもの


現代では生活に使える水が供給されていますが、昔は生活に使用できる綺麗な水は大変貴重なものでした。そのため、水は生命の源とまで呼ばれており、その水を汲むことが出来る井戸も神聖なものとされてきました。そのため、井戸を埋めることは罰当たりとされていました。また、昔の人は生活必需品である水を井戸から毎日組み上げて使っていました。これまで井戸を使ってきた人の思いが詰まっていると考えられていることも、井戸が神聖なものと考えられている理由の一つです、現代でも井戸を埋める際にお祓いを受けることが風習になっています。

手順や費用


解体工事が始まる前に井戸を埋めることがわかっている場合は解体清祓と併せて行ってもらうとスムーズで手間もかかりません。ただし、解体工事を進めていく中で地中などに井戸が発見されるケースもあります。工事中に井戸を発見した際は勝手に埋めるのではなく、再度お祓いを行うべきだと考えられています。すぐに解体清祓を行ってもらった神社に相談しましょう。簡略化したお祓いの方法などを指導してもらえる場合もあります。費用は2〜3万円程度が相場です。


3.魂抜き


仏壇や仏像、神棚などを処分する際に必要なお祓いが『魂抜き(たましいぬき、こんぬき、たまぬき、など)』です。同じ意味の言葉として『開眼供養』『お精魂ぬき』などがあります。

仏壇や神棚に宿っている魂を抜く


ほとんどの仏教の宗派では仏壇やお墓、神棚に魂を入れる魂を抜くという考えがあります。お坊さんに『魂入れ』をしてもらうことで、ただの物品から手を合わせる対象に変化すると言われています。そのため、仏壇や神棚などを魂が宿った状態のまま移動させたり処分するのはタブーとされています。処分・撤去する前にかならず『魂抜き』を行ってもらいましょう。

手順や費用


仏壇を処分する際はお寺の僧侶に依頼し、神棚を処分する際は神社の神主へ依頼します。神棚の場合は井戸祓いと同様に解体工事開始前に行う『解体清祓』と同時に行ってもらうようにお願いするとスムーズに工程が進みます。費用は合計で3〜5万円とされています。ただし、神社やお寺によって異なりますので、必ず依頼するお寺や神社に確認を取りましょう。


まとめ


今回は解体工事の際に行う3つのお祓いについてご紹介しました。『解体清祓』は神社に依頼して行う解体工事の安全を建物の守り神に祈願する儀式です。費用は5〜6万円程度かかります。『井戸祓』は敷地内にある井戸を撤去する必要がある場合に行うお祓いです。井戸は神聖なものとされており、お祓いなしに撤去するのはタブーとされています。『解体清祓』と同時に行っておくと工程がスムーズに進むでしょう。ただし、解体工事中に井戸が発見される可能性もあります。その場合は神社への相談が必要となります。費用は2〜3万円程度です。『魂抜き』は仏像や仏壇、神棚などを処分する必要がある場合に行う儀式です。多くの仏教の宗派では仏壇などに『魂入れ』を行っています。霊が宿っている物品を処分・移動させる際は魂抜きの儀式が必要なため、解体工事の際にも行罠変えればならない場合がほとんどです。費用は3〜5万円程度です。解体工事を気持ちよく進めるために必要なお祓いを行うようにしましょう。

2020.5.26