解体業者の選び方

解体工事というと、住居や建造物を取り壊すだけというイメージを持っている方も多いと思います。しかし、実際にはその工事段階に至るまでにさまざまなステップを取る必要があるのです。解体工事を行うためには、届出をする必要があるということをご存知でしょうか。
解体工事は施工すればいいだけではなく、近隣にお住まいの方々への影響が出やすいため、作業員としても危険を伴う作業が多い仕事です。そのため、解体工事を行うためには、さまざまな法律が関わってきます。
解体工事を行う前後で異なる届出が必要ですし、工事の内容によっても必要な届出はそれぞれ違うものとなります。

解体工事に重要な建設リサイクル法

住宅や建造物を解体する際には、届出を行う必要があります。解体工事にまつわる法律として有名なのは、「建設リサイクル法」です。この建設リサイクル法の対象となる解体工事を行う場合、工事に着手する7日前までに都道府県の知事へ届出をすることが義務とされています。
具体的に建設リサイクル法の対象となる工事とはどういったものなのでしょうか。まず、解体する対象の建造物の床面積が80平方メートル以上の場合です。次に、コンクリート、コンクリートか鉄でできている建設資材、木材、アスファルトコンクリートといった特定建設資材を使って建造物の解体を行うケースです。最後に、費用の合計額が500万円以上に上る大規模な解体工事のときです。一般的な木造2階建ての建物は30坪以上あるといわれていますから、基本的に解体工事を行うならばこの届出は行うものだと考えておいてください。
このような条件にあてはまる解体工事を行う場合、建設リサイクル法によって施主本人は都道府県の知事に対して届出を行わなければならないと決められています。実際には、解体工事の業者に委任状を渡して手続きを代行してもらうというケースが最近では多く採用されています。
多忙で届出をする時間がなかなか取れないという施主の方は、このような形で解体工事の業者に代行を依頼して、しっかりと手続きを取るようにしましょう。届出の締め切りは解体工事に着手する7日前です。届出を怠ってしまうと罰金が定められていますから、しっかりと忘れないようにしておきましょう。

実際にどのような届出を行うのか

解体工事に必要な届出は、それぞれ出すべき時期や機関が異なっています。手続きをする意思があったとしても、その方法を間違えてしまうと受理されなくなってしまいます。直前に手続きをしようとして間違えてしまい、もしも解体工事の期間に間に合わなくなったしまっては一大事です。そういったことが起こらないようにするために、それぞれの届出について確認していきましょう。

アスベストを除去する際の届出

解体工事を行う対象の建造物にアスベストが含まれている場合は、アスベストを除去する作業を行うための届出が必要になってきます。厳密にはアスベストの種類によって届出がいらないケースもあります。しかし、届出が必要なのか必要ないのかを施主が独自に判断するのは難しいですし、万が一その判断を誤ってしまったら、その解体工事の案件に関わる大きな問題になってしまいます。
しっかりと解体工事の業者に工事の現地見積もりを依頼する際に、届出が必要なアスベストが対象となる建造物で使われているのかについて事前に調査してもらうよう依頼しましょう。

アスベストを除去するために必要な届出は、正式には「特定粉じん排出等作業実施届」といいます。解体工事に着手をする14日前までに各都道府県が定める指定の窓口に提出しなければなりません。この手続きは施主自身でも取ることができますが、解体工事の業者にも依頼をすることができるので、追加費用が気にならないようであれば解体工事と合わせて業者にお願いするのも1つの手です。
解体工事の業者に届出の手続きを代行する際の費用の目安としては、ほかの申請も合わせて3～5万円くらい掛かるのが一般的です。万が一この届出を怠ってしまうと、3か月以下の懲役、もしくは30万円以下の罰金が科せられますので、解体工事の対象となる建築物に指定されているアスベストが含まれていた場合には注意しましょう。

ライフラインを停止する

解体工事の前にはライフラインを停止し、場合によっては撤去もしなければなりません。一般的にライフラインといえば、電気、ガス、水道ですが、そのほかにも電話、インターネット、ケーブルテレビなどの通信関連も含まれています。見落としのないようにしっかりと確認をするようにしましょう。どれも電話一本で解約できますし、インターネット上で手続きを完了することができる場合もあります。

停止をしたいという申請をしてから実際に停止となるまでには2週間前後掛かると思われます。場合によっては撤去費用が掛かることもあるので、余裕をもって早めに申請を行うようにしましょう。ここでの注意点としては、解体工事の際には粉じんを抑えるために散水を行いますから、水道だけは停止させないようにしましょう。

まとめ

今回は解体工事を行う際に必要な届出について紹介しました。どの届けも法律で定められた重要な規則で期間も決まっています。チェックを欠かさずに行い、余裕をもって届出ができるように事前に準備を進めていきましょう。