家を解体するときにチェックしておくべきポイント5つ
家を取り壊したいと考えた時にまず確認しておきたい5個の事
解体工事をするとき、何を事前に確認しておくとスムーズに工事を進めることができるのでしょうか。この記事では、解体工事を検討しているという方に、まず確認するべきポイントを5つにわたって解説します。
家の解体工事でチェックしておくポイント5選
家の解体工事は、単純に言えば家を取り壊すだけなのですが、それにあたり様々な要素があります。まず何をすればいいのか、どのような情報を集めて、どのような行動を取ればよいのか、よくわからないというオーナーさんも少なくないでしょう。まず、自分の持っている建物のことを知り、契約の前にいくつかのチェックポイントを一つ一つ丁寧にチェックしていくことで、そうでない場合に比べて解体工事は驚くほどスムーズに進めることができるようになります。この記事では、チェックポイントを5つに絞り解説します。解体工事を検討しているオーナーさんは、ぜひ参考にしてみてくださいね。
まず取り壊したい家の状態を確認すること
家を取り壊したいと考えたとき、まずもっとも大事なのが、取り壊したい家の現状を確認するということです。解体工事がどのように進行するのか、何が必要となるのか、費用がどの程度かかるのかということは、すべてこの家の状態で決まるといっても過言ではありません。家の状態とはたとえば、まず家は何でできているか、という「構造」があります。木造なのか、RCなのか、鉄骨なのかという構造によって、解体工事の費用が決まります。次に、解体工事を行う建物の周辺環境です。重機が出入りする程度の敷地の余裕があるか、空中に引っかかるような電線はないか、機材や廃材の搬入出をするためのトラックが入れる道路かというようなことがポイントとなります。もちろん、これらがスムーズに行える環境であれば費用は安くなる傾向にありますし、反対にこれらが難しいということになれば、費用は高めになります。そして、家の内部です。たとえば処分が必要なものがどれくらいあるのか、地上部のほかに地階に構造があるか、庭に樹木や工作物があるかなどがチェックポイントとなります。これらの現状確認のうえで解体工事を発注するようにすれば、無用なトラブルを避けてスムーズに工事を進めることができるでしょう。
見積書をしっかりとチェックすること
工事の金額の根拠となるのが見積もりです。基本的に見積もりは、契約段階では変動があることも珍しくありませんが、それでもある程度の目安として信頼できる数字が出ていなければ、見積もりとしての用をなしません。見積もりは、ただ業者から取得して合計金額を確認すればよいというものではなく、しっかりと契約に至るまでにチェックが必要です。まず、解体工事の発注においては、見積もりは一社ではなく複数の会社から、いわゆる「相見積もり」の方式で見積もりを取得するのが望ましいといえます。解体工事では基本的に、「不要な施工が追加される」という状況は想定しにくいものですが、それでもそれぞれの会社ごとに費用は異なってくるでしょう。大きな金額の差があるときには、なぜそのような差が生まれたのか、内訳の内容にまで目を光らせる必要があります。また、見積もりは現地の実態に即していなければなりません。たとえば、先に述べたように取り壊したい家には地階があるというケースがあるとします。このようなとき、A社の見積もりには地階部分撤去の費用が入っているのに、B社の見積もりには入っていないということになれば、これは見積もりの記載漏れであり、実際に契約をする際には近い部分の金額があとから追加されるであろうことが推定されます。このようなトラブルを避けるため、見積書は複数社から取得し、それぞれの見積もりについて金額、そして内訳とその金額についてもしっかりとチェックする必要があるといえます。ただし、複数社の見積もりといってもただ大量に見積もりを取得すればよいというものではありません。際限なく見積もりばかりを取得してしまうと、断りの連絡も一手間になってしまいますし、一つ一つの見積もりをじっくりと吟味する時間が制限されてしまい本末転倒です。見積もりの取得は、2~3社をベースに考えると効果的でしょう。
解体業者はよく吟味すること
解体工事について重要なことのもう一つは、解体工事を実際に請け負う業者の選択です。解体工事を請け負う業者は全国に数多ありますが、すべて自社で重機からベテラン職人まで手配できる業者もあれば、基本的に現場での作業は外注に依頼しているという会社もありますし、そのあたりの会社のありようは千差万別です。インターネットなどでは、「全国対応」を謳っている解体工事業者も珍しくありませんが、こうした業者の場合、日本全国に同一の法人が直接雇用している職人や重機の所有をしているという状況は考えにくいことから、基本的に「解体工事の受注は全国」であって、実際に作業をする施工店は外注の業者であるという可能性が高いといえます。もちろん、解体工事において「外注」の存在は、必ずしも悪いことではありません。外注を使うことで、契約処理から現場作業までがスムーズに移行できたり、先に述べたように全国へ工事業務を展開できるというメリットもあります。しかし一方で不安が残るのは、解体したい建物のある地域・エリアをカバーしている実際の施工店の実力や品質、職人の経験年数や重機の配備状況といったところでしょう。これらの面は、事前に情報を得ることができればもちろん理想ですが、必ずしもそれが可能であるとは言い切れません。工事自体が初めてで、あまりそういった見分けについても自信が持てないというような場合には、やはり地域に根ざした地元の解体工事業者に依頼するというのは良い選択です。地域に根ざして長く工事を提供している業者であれば、評判や評価もそれなりに蓄積していますので、これらを調べる手段もあるでしょう。こうしたポイントに注意して解体工事業者を選定していくことで、質の低い業者に依頼してしまってトラブルになる、あるいは、悪質な業者に騙されてしまった、という状況を避けることができるようになります。
必要な配慮がなされているか確認すること
建物の解体工事は、自分が所有する建物に対して行われるのが一般的ではありますが、かといって自分の建物にだけ注意していればよいというものではありません。解体工事を行っている間は道路が塞がることもありますし、解体工事に伴って、現場には粉じんや臭気などが飛散するようなこともあります。また、最も大きな問題としては工事車両が出入りすることによる地面の振動や、解体工事に伴う大きな騒音の問題です。広い敷地で周囲に民家がないような土地であればそれほど問題にはなりませんが、そのような立地の建物ばかりではなく、むしろ家の解体工事の場合には、住宅が密集している住宅街の中の物件であることが多いでしょう。こうした場合には、周辺の民家への配慮も欠かせません。工事業者は一般的に、工事の着手前に近隣に挨拶回りをするのが普通です。こうした配慮ができる業者であるかどうかということも、実際に工事が始まる前にしっかりとチェックしておき、必要があればオーナーさんから施工業者へ適切な申し入れなどをしておくのもよいでしょう。また、もちろん解体業者に任せきりではなく、オーナーさん自身でも近隣への挨拶回りなどは自分でしておいたほうがより周辺とのトラブルは少なくなるでしょう。また、配慮という意味で言えば、粉じんが飛び散らないような養生の方法や、散水などの工程を考えているかということも工事前に打ち合わせができるポイントになります。
各種届出や手続きは適切に行われる?
工事は現場で行われるものですが、現場だけで完結するものではありません。各種官庁への届出などの手続き関係、また廃棄物処理などの手続きについても、適切にこれらが執行されていることが必要です。たとえば、建設リサイクル法の申請や道路使用許可の申請、そして解体工事で発生するケースが多いアスベストの届出などが代表的なものです。申請行為自体をオーナーさんがするのか、あるいは解体業者がある程度指導してくれるのかについては、解体業者によって異なる部分でもあります。こうした届出関係を適切に執行してくれるか、提出をどちらがするのかということなども事前にしっかりと打ち合わせをしておくことが、適法に、適切に工事を進めるうえで必須のポイントとなります。申請を怠ったり遅れたりすると、罰則がある場合もありますので、この点には特に注意が必要です。
まとめ
解体工事にはいくつかのチェックポイントがあり、これらをしっかりと確認した上で工事を進めることで、スムーズに解体工事を進めることができます。工事は初めてであるとか、あまり慣れていないというオーナーさんはぜひ参考にしてみてくださいね。
2019.9.25