解体工事中に受けやすい苦情の原因とは?法律的な基準はあるの?
古い建物の解体工事が必要になった際、近隣住民から苦情が来るのではないかと考えルノではないでしょうか。解体工事は重機や専用の工具を使って建物を解体する作業になるため、日常生活では出ない音や振動が発生します。そのため、近隣住民から苦情が入ってトラブルになるケースは少なくないです。では、どのような対策をすれば苦情の可能性を減らせるのでしょうか。解体工事業者に向けて行われたアンケートによれば、解体工事を行っている最中に近隣から受ける苦情の原因の中で、一番多いのは振動、続いて騒音、その次が粉じんとなっています。どれも解体工事中は避けられないものです。しかし、それらについて詳しく知っておくことで近隣への影響をできる限り少なくすることは可能です。
ここでは件数の多い苦情の原因である騒音・振動・粉じんについて、関連する法律と併せてご紹介します。法律で定められた規制や基準を知っておくことで依頼した解体工事業者が適切に処置を行っているか確認でき、苦情につながる可能性を出来る限り減らすことができます。
建物を重機で破壊して解体するため解体工事には大きい音が伴います。騒音は人間にとってストレスになりやすいため苦情にも繋がりやすく、解体工事における苦情の中でも最も原因になりやすいものです。どれくらいの音量が騒音になるのでしょうか。
解体工事中に発生する騒音については「騒音規制法」という法律で定められています。「騒音規制法」は、工場及び事業場における事業活動や建設活動に伴って発生する騒音について、必要な規制を行うことによって、生活環境を保全し国民の健康の保護に資することを目的としている法律です。解体工事などの建設作業に伴う騒音の規制として、騒音規制法では著しい騒音を発生する作業を規制対象としています。また、騒音の基準は環境省が定めており、その大きさは85db(デシベル)です。これは地下鉄の車内とほぼ同じ音量と言われています。85db以上の工事音が出ていると近隣の方はうるさいと感じやすいため、苦情につながる可能性があります。
解体工事を行っている最中にどれくらいの音が出ているか調べてみましょう。調べるには専用の機器が必要ですが、最近ではスマートフォンなどのアプリでも音の大きさを調べることができます。ただし、アプリは簡易的な計測になりますので、あくまでも目安として利用しましょう。解体工事中に計測をしてみて基準値を超えていればその旨を業者の方に伝え、追加で対策をしてもらいましょう。
騒音と同じく振動も解体工事を行う上で避けることはできず、苦情につながる可能性があります。振動に関する法律とはどのようなものなのでしょうか。
振動に関しては「振動規制法」という法律で定められています。「振動規制法」は工場及び事業所における事業活動や建設工事に伴って発生する相当範囲に渡る振動について、必要な規制を行うことで生活環境を保全し国民の健康の保護に資することを目的としている法律です。解体工事などの建設作業に伴う振動の規制として「振動規制法」では著しい騒音を発生する作業を規制対象としています。また、環境省が定めている振動の基準は75dbです。これは騒がしい事務室や、交通量の多い道路と同じくらいと言われています。
振動に関しても騒音と同じく専用の機器がありますので計測した場合は購入するなどして手に入れましょう。また、解体工事業者が持参している場合もあります。解体工事中の振動が大きいなと感じたときは遠慮せず相談しましょう。
建物を解体する際は多かれ少なかれ必ず粉じん(砂埃やほこりなど)が発生します。その粉じんは風に吹かれて近隣住民の住宅に流れてしまうことで苦情につながる可能性があります。
騒音と振動についてはdbという単位を使って基準が明確に定められていましたが、解体工事における粉じんの排出量などについての基準は法律では明確に定められていません。
ただし、特定粉じんと呼ばれる石綿(アスベスト)を含む粉じんの取扱については「大気汚染防止法」によって定められています。石綿を含む建物の解体工事を行う際はこれに定められている規定に沿って粉じん対策をしなければなりません。具体的には作業内容に関する掲示、プラスチックシートによる作業場の隔離・養生、排気装置による作業場及び全室内の負圧化、などです。
また、解体工事を行うと必ず粉じんを伴いますので、粉じんをゼロにするのは難しいです。しかし、養生シートを利用して工事現場の周囲を囲うことで粉塵の飛散をある程度防ぐことができます。ただし、破れてしまうと効果は薄れてしまいます。きちんとした養生シートを利用してもらえるように相談してお来ましょう。
また、工事開始前の散水を行うことで粉塵の飛散を抑えることができます。養生シートをしていても一度に大量のホコリが舞えば風に乗って近隣へ飛散してしまいます。湿ったホコリは飛散しづらいため、養生シートでの対策に加えて散水も行ってもらうようにしましょう。これらの対策を行っていないように見受けられる場合は、工事業者に相談してみましょう。
今回は解体工事中に受けやすい苦情の原因について、その基準となる法律などと併せてご紹介しました。工事内容によっては安全や予定された工期の厳守を優先させるためなどの理由で騒音・振動・粉じんへの対策が疎かになってしまい、近隣に迷惑をかけてしまう可能性もあります。もしそうなってしまった場合、周辺に住む住民からの苦情につつながってしまいます。法律で定められている基準や規制について知っておくことで、適切に対策が行われているかたしかめて、基準が守られていない場合はすぐに対策を行ってもらいましょう。
苦情の原因について知っておく
ここでは件数の多い苦情の原因である騒音・振動・粉じんについて、関連する法律と併せてご紹介します。法律で定められた規制や基準を知っておくことで依頼した解体工事業者が適切に処置を行っているか確認でき、苦情につながる可能性を出来る限り減らすことができます。
1.騒音
建物を重機で破壊して解体するため解体工事には大きい音が伴います。騒音は人間にとってストレスになりやすいため苦情にも繋がりやすく、解体工事における苦情の中でも最も原因になりやすいものです。どれくらいの音量が騒音になるのでしょうか。
騒音の基準は85db
解体工事中に発生する騒音については「騒音規制法」という法律で定められています。「騒音規制法」は、工場及び事業場における事業活動や建設活動に伴って発生する騒音について、必要な規制を行うことによって、生活環境を保全し国民の健康の保護に資することを目的としている法律です。解体工事などの建設作業に伴う騒音の規制として、騒音規制法では著しい騒音を発生する作業を規制対象としています。また、騒音の基準は環境省が定めており、その大きさは85db(デシベル)です。これは地下鉄の車内とほぼ同じ音量と言われています。85db以上の工事音が出ていると近隣の方はうるさいと感じやすいため、苦情につながる可能性があります。
音量を調べてみる
解体工事を行っている最中にどれくらいの音が出ているか調べてみましょう。調べるには専用の機器が必要ですが、最近ではスマートフォンなどのアプリでも音の大きさを調べることができます。ただし、アプリは簡易的な計測になりますので、あくまでも目安として利用しましょう。解体工事中に計測をしてみて基準値を超えていればその旨を業者の方に伝え、追加で対策をしてもらいましょう。
2.振動
騒音と同じく振動も解体工事を行う上で避けることはできず、苦情につながる可能性があります。振動に関する法律とはどのようなものなのでしょうか。
振動の基準は75db
振動に関しては「振動規制法」という法律で定められています。「振動規制法」は工場及び事業所における事業活動や建設工事に伴って発生する相当範囲に渡る振動について、必要な規制を行うことで生活環境を保全し国民の健康の保護に資することを目的としている法律です。解体工事などの建設作業に伴う振動の規制として「振動規制法」では著しい騒音を発生する作業を規制対象としています。また、環境省が定めている振動の基準は75dbです。これは騒がしい事務室や、交通量の多い道路と同じくらいと言われています。
振動の大きさを調べる
振動に関しても騒音と同じく専用の機器がありますので計測した場合は購入するなどして手に入れましょう。また、解体工事業者が持参している場合もあります。解体工事中の振動が大きいなと感じたときは遠慮せず相談しましょう。
3.粉じん
建物を解体する際は多かれ少なかれ必ず粉じん(砂埃やほこりなど)が発生します。その粉じんは風に吹かれて近隣住民の住宅に流れてしまうことで苦情につながる可能性があります。
粉じんの基準は明確には定められていない
騒音と振動についてはdbという単位を使って基準が明確に定められていましたが、解体工事における粉じんの排出量などについての基準は法律では明確に定められていません。
ただし、特定粉じんと呼ばれる石綿(アスベスト)を含む粉じんの取扱については「大気汚染防止法」によって定められています。石綿を含む建物の解体工事を行う際はこれに定められている規定に沿って粉じん対策をしなければなりません。具体的には作業内容に関する掲示、プラスチックシートによる作業場の隔離・養生、排気装置による作業場及び全室内の負圧化、などです。
粉じん対策は養生シートと散水
また、解体工事を行うと必ず粉じんを伴いますので、粉じんをゼロにするのは難しいです。しかし、養生シートを利用して工事現場の周囲を囲うことで粉塵の飛散をある程度防ぐことができます。ただし、破れてしまうと効果は薄れてしまいます。きちんとした養生シートを利用してもらえるように相談してお来ましょう。
また、工事開始前の散水を行うことで粉塵の飛散を抑えることができます。養生シートをしていても一度に大量のホコリが舞えば風に乗って近隣へ飛散してしまいます。湿ったホコリは飛散しづらいため、養生シートでの対策に加えて散水も行ってもらうようにしましょう。これらの対策を行っていないように見受けられる場合は、工事業者に相談してみましょう。
まとめ
今回は解体工事中に受けやすい苦情の原因について、その基準となる法律などと併せてご紹介しました。工事内容によっては安全や予定された工期の厳守を優先させるためなどの理由で騒音・振動・粉じんへの対策が疎かになってしまい、近隣に迷惑をかけてしまう可能性もあります。もしそうなってしまった場合、周辺に住む住民からの苦情につつながってしまいます。法律で定められている基準や規制について知っておくことで、適切に対策が行われているかたしかめて、基準が守られていない場合はすぐに対策を行ってもらいましょう。
2020.5.15