あんしん匠サポートセンター

解体業者の選び方

火災の被害に遭ったらすぐに申請するべき「罹災証明書」とは?

みなさん「罹災証明書」という言葉を聞いたことはありますか?最後に「証明書」とあるので、罹災を証明する書類であることは推測できますが、肝心の「罹災」の意味がわからないとどのようなものか全く想像できません。「罹災」とは、「災害を受ける事、被災すること」を意味する言葉です。そのため「罹災証明書」は、被災したことを証明する書類であることがわかります。今回は、火災に遭った際の「罹災証明書」の申請方法や基準、役割りについてまとめてご紹介します

 

「罹災証明書」の基礎知識


日常生活であまり使われることがないため、聴き馴染みのない「罹災証明書」ですが、災害に遭った際に必要不可欠でとても重要な書類です。そんな「罹災証明書」は、火災や自然災害が起こり、家が倒壊したり損壊を受けた場合に、被害を受けたという事実や被害の程度を公的に認定する証明として発行されるものです。

 

火災における「罹災証明書」の管轄は?


火災が起こった際に「罹災証明書」の申請を行う窓口は、その地域を管轄している消防署警防課調査担当です。「罹災証明書」の申請に必要な「罹災証明申請書」、または「罹災届出申請書」を消防署警防課調査担当の窓口でもらい、記入した後に、「損壊状況がわかる写真(住居の外観や室内の損壊した部分の写真)」、「身分証明書」と共に提出します。この申請書が受理されたら、専門の職員が現地に行き、損害の大きさの調査をし、正式に被害状況が認定されます。被害状況は、経済的被害の大きさが大きい順に「全焼」「半焼」「部分焼」「ぼや」に分けれられます。

 

「罹災証明書」を発行できる人は?


「罹災証明書」を発行することができる人は罹災した物件の所有者や管理者、担保権者や占有者(その建物を実質的に支配している人)、保険金の受取人などに指定されている人です。申請時には、運転免許証やパスポートなどの身分が確認できるものを持参する必要があります。また、本人に代わって代理人が申請することも可能ですが、この場合は、本人からの「委任状」と「代理人の身分証明書」が必要です。

 

 

「罹災証明書」発行に関する注意点


「罹災証明書」発行に関して注意しておかなければいけない点は、主に3つあります。

 

 

「罹災証明書」の申請期限


まず1つ目に「罹災証明書」の申請期限です。長さは各自治体や消防署によって様々ですが(最短2週間、最長6ヶ月)、災害が起きてから「罹災証明書」の申請を終了するまでの期限が設けられています。災害に巻き込まれて住居がなくなってしまったら、冷静ではいられず、何をどのような手順でどうすれば良いのか、わからなくなってしまうと思いますが、まずはすぐに「罹災証明書」を申請するということを覚えておきましょう。この申請期限を過ぎてしまうと、申請ができずに、受けられるはずの支援も受けられなくなってしまいます。(地震など、災害の規模が大きく混乱が続く場合は申請期限が伸ばされることもあります。)

 

 

「罹災証明書」の発行までに時間がかかる


2つ目に、「罹災証明書」の発行までに、しばらく時間がかかってしまうことです。「罹災証明書」の発行までの過程では、専門の職員が2人以上で現地に訪れ、損壊状況の調査が行われることになっています。内閣府によって明確に決められた指針に沿って、被害状況を調査したり、職員を調整することに時間がかかってしまうこともあり、調査が終わってから発行されるまでには最低でも2週間かかるといわれています。

さらに、職員も被災していてしばらく働けない場合や、被災した人の数が多く、多くの「罹災証明書」の申請届けが同様のタイミングで提出された場合には、発行までに余計に多くの時間がかかってしまいます。少しでも早く発行してもらうためにも、火災や自然災害の被害に遭って住居が損壊を受けた場合は、直ちに「罹災証明書」の発行申請を行いましょう。

「罹災証明書」が長期間発行されず、自治体や国からの支援への申請や保険金請求もできないとなると、被災者にとって大変不都合です。そのようなことにならないよう、無料で即日発行してもらえる「罹災届出証明書」というものがあります。これは、「罹災証明書」の届出をしたことを証明できる書類で、それにより、保険金を請求できたり、各種支援の申請ができる場合があります。

 

「罹災証明書」の被害状況の再調査の申請が可能


3つ目に、「罹災証明書」の被害状況の再調査の申請が可能だということです。発行された「罹災証明書」に記載された被害の程度に納得が行かない場合は、不服の申し立てをすることができます。必要と認定されれば、調査員による再調査が行われます。

 

火災の被害に遭ったら


火災のよって住居が損壊したら、下記の流れ迅速に手続きを行うことで、スムーズに必要な支援を受けられるようになります。

 

「罹災証明書」の発行


上記でも簡単にご紹介しましたが、火災に遭ったら、まずはそのエリアを管轄している消防署の窓口で「罹災証明書」の申請を行いましょう。「罹災証明書」の発行に時間がかかってしまいそうな場合は「罹災証届出証明書」を代わりにもらっておくと良いです。

 

保険金の請求


「罹災証明書」が消防局や市町村役場から発行されたら、火災保険会社へ保険金が請求できるようになります。「罹災証明書」と「身分証明書」を用意して、保険会社に電話をかけましょう。保険金の他にも、自治体からの災害支援などへの申請ができるようになります。

 

新しい家や家具を買う・修繕


必要な支援を受けられるようになったら、それを元出に、新しい家を購入したり、燃えてしまった家具を新調したり、住居の修繕をするなどして、元通りの生活が送れるようにしましょう。

 

まとめ


予期せぬ火災が起こり、居住していた建物が損壊してしまった場合は、保険金の請求や自治体からの支援を受けるために必要な「罹災証明書」を消防署の窓口ですぐに申請することが大切です。火災が起こってしまってから制度や手続きについて調べるのでは、時間がかかってしまうので、火災がいつどこで起こってもスムーズに対処できるよう、「罹災証明書」について調べておくと良いでしょう。

2021.7.24