コンクリート打ちっぱなし住宅の特徴とは
「お洒落な部屋」と聞いて、あなたはどのような住宅をイメージしますか。
スタイリッシュでクールな印象のコンクリート打ちっぱなし住宅は、その代表格として挙げられるでしょう。
テレビドラマなどのワンシーンでしばしば登場することもあり、お洒落に関心の高い若者を中心に人気を集めています。
一般的な住宅に比べ、デザイン性に特化したデザイナーズ住宅にも多く採用されるスタイルであるコンクリート打ちっぱなしですが、その居住性はどうなのでしょうか。そのメリットとデメリットについてお話ししたいと思います。
俗にいう”コンクリート打ちっぱなし”ですが、正式には「打放しコンクリート」と呼ばれています。
通常、完成したコンクリート壁に塗装を施したり、タイルを貼りつけて仕上げを行いますが、こうした工程を敢えて省いた工法のことを指します。
そんなコンクリート打ちっぱなし住宅のメリットとデメリットは以下のとおりです。
冒頭にもお話ししたとおり、スタイリッシュな印象が大きな特長のコンクリート打ちっぱなし住宅ですが、一般的に住宅には適さないといわれています。その理由にはコンクリートの性質が大きく関係しています。
コンクリートとは砂や砂利をセメントで固めたものをいいますが、これを凝固させる際に水を使います。この水分が抜けきるまでに一定の時間を要するのです。水分が完全に抜けきるまでに2年から3年、場合によっては5年ほどかかります。そのため、新築のコンクリート打ちっぱなし住宅は非常に湿気が多くなります。
それでは建設から数年経ち、コンクリートの水分がすべて抜けきればこの湿気の問題は解消されるのでしょうか。ところがそうもいきません。
コンクリートは吸水性が高く、その表面から室内の水分を吸い込みます。また、吸収した水分を表面に溜めやすい性質を持っているため、カビ発生の原因にもなります。
こうしたことを防ぐために、本来はコンクリート壁に仕上げを施します。ところがコンクリート打ちっぱなしはこれを省いてしまっているために、このような弊害が生まれてしまいます。
コンクリート打ちっぱなし住宅におけるもうひとつのデメリットとして指摘されるのが、その熱伝導率の高さです。
熱伝導率が高いということはつまり、屋外の熱や冷気を吸収して蓄積する性質が高いということです。そのため、夏は暑く、冬は寒いです。加えてエアコンが効きづらいので、コストパフォーマンスが高いとは決していえないでしょう。
季節により気温が大きく変化する日本において、こうした特性がその居住性に大きく影響していることは否定できません。
メリットは以下の通りです。
一般的な建物の場合、建物全体を柱で支えます。対して、コンクリート打ちっぱなし住宅ではコンクリートの壁面で支えるため、柱を必要としません。そのため、柱のない広々とした空間を生み出すことが可能なのです。
木造や鉄骨造の建物に比べ、コンクリート打ちっぱなし住宅は物質そのものの比重が高いため、遮音性に優れています。
防音効果が高いため、音楽鑑賞や映画観賞を趣味とする方にとっては最適といえるかもしれません。ギターなどの楽器を演奏する方にとっても、適した空間だといえるでしょう。
また、集合住宅では隣人の生活音が気になるのはよくあることです。ところがコンクリート打ちっぱなしの場合、こうした音は遮断されますので、外部の騒音から切り離された生活を送ることができるのです。これは非常に大きなメリットといえるかもしれません。
このように“音”の面で優れていることは、非常に多くのニーズに応えているといえるでしょう。
コンクリートは燃えにくい素材として、建築の世界では非常に重宝されています。その耐火性は並外れており、1000度の熱にも2時間は耐えられるといわれています。火災が発生しても周囲への延焼が起こりにくいため、万が一の際にも安心です。
また、コンクリート打ちっぱなし住宅ではその高い耐火性から、火災保険料が安くなる傾向があるようです。一般的に耐火性の低い木造住宅に比べると、その火災保険料は3分の1程度に抑えられるといわれています。
以上、コンクリート打ちっぱなし住宅のメリットとデメリットについてお話ししましたが、いかがでしたか。
そのデザイン性の高さが大きな特長であるコンクリート打ちっぱなし住宅ですが、それ以外にも魅力的な特長があることはお分かりいただけたのではないでしょうか。
デザイン性を重視したために、その機能性を犠牲にしていることは否めませんが、最終的になにをメリットと捉え、なにをデメリットと捉えるかは人それぞれです。
今回お話ししたことを参考にしていただき、あなたの素敵な住まいづくりにぜひとも役立ててください。
スタイリッシュでクールな印象のコンクリート打ちっぱなし住宅は、その代表格として挙げられるでしょう。
テレビドラマなどのワンシーンでしばしば登場することもあり、お洒落に関心の高い若者を中心に人気を集めています。
一般的な住宅に比べ、デザイン性に特化したデザイナーズ住宅にも多く採用されるスタイルであるコンクリート打ちっぱなしですが、その居住性はどうなのでしょうか。そのメリットとデメリットについてお話ししたいと思います。
コンクリート打ちっぱなし住宅のメリット・デメリット
俗にいう”コンクリート打ちっぱなし”ですが、正式には「打放しコンクリート」と呼ばれています。
通常、完成したコンクリート壁に塗装を施したり、タイルを貼りつけて仕上げを行いますが、こうした工程を敢えて省いた工法のことを指します。
デメリット
そんなコンクリート打ちっぱなし住宅のメリットとデメリットは以下のとおりです。
湿気が多い
冒頭にもお話ししたとおり、スタイリッシュな印象が大きな特長のコンクリート打ちっぱなし住宅ですが、一般的に住宅には適さないといわれています。その理由にはコンクリートの性質が大きく関係しています。
コンクリートとは砂や砂利をセメントで固めたものをいいますが、これを凝固させる際に水を使います。この水分が抜けきるまでに一定の時間を要するのです。水分が完全に抜けきるまでに2年から3年、場合によっては5年ほどかかります。そのため、新築のコンクリート打ちっぱなし住宅は非常に湿気が多くなります。
それでは建設から数年経ち、コンクリートの水分がすべて抜けきればこの湿気の問題は解消されるのでしょうか。ところがそうもいきません。
コンクリートは吸水性が高く、その表面から室内の水分を吸い込みます。また、吸収した水分を表面に溜めやすい性質を持っているため、カビ発生の原因にもなります。
こうしたことを防ぐために、本来はコンクリート壁に仕上げを施します。ところがコンクリート打ちっぱなしはこれを省いてしまっているために、このような弊害が生まれてしまいます。
夏は暑く 冬は寒い
コンクリート打ちっぱなし住宅におけるもうひとつのデメリットとして指摘されるのが、その熱伝導率の高さです。
熱伝導率が高いということはつまり、屋外の熱や冷気を吸収して蓄積する性質が高いということです。そのため、夏は暑く、冬は寒いです。加えてエアコンが効きづらいので、コストパフォーマンスが高いとは決していえないでしょう。
季節により気温が大きく変化する日本において、こうした特性がその居住性に大きく影響していることは否定できません。
メリット
メリットは以下の通りです。
広い空間づくりが実現できる
一般的な建物の場合、建物全体を柱で支えます。対して、コンクリート打ちっぱなし住宅ではコンクリートの壁面で支えるため、柱を必要としません。そのため、柱のない広々とした空間を生み出すことが可能なのです。
高い遮音性
木造や鉄骨造の建物に比べ、コンクリート打ちっぱなし住宅は物質そのものの比重が高いため、遮音性に優れています。
防音効果が高いため、音楽鑑賞や映画観賞を趣味とする方にとっては最適といえるかもしれません。ギターなどの楽器を演奏する方にとっても、適した空間だといえるでしょう。
また、集合住宅では隣人の生活音が気になるのはよくあることです。ところがコンクリート打ちっぱなしの場合、こうした音は遮断されますので、外部の騒音から切り離された生活を送ることができるのです。これは非常に大きなメリットといえるかもしれません。
このように“音”の面で優れていることは、非常に多くのニーズに応えているといえるでしょう。
優れた耐火性
コンクリートは燃えにくい素材として、建築の世界では非常に重宝されています。その耐火性は並外れており、1000度の熱にも2時間は耐えられるといわれています。火災が発生しても周囲への延焼が起こりにくいため、万が一の際にも安心です。
また、コンクリート打ちっぱなし住宅ではその高い耐火性から、火災保険料が安くなる傾向があるようです。一般的に耐火性の低い木造住宅に比べると、その火災保険料は3分の1程度に抑えられるといわれています。
最後に
以上、コンクリート打ちっぱなし住宅のメリットとデメリットについてお話ししましたが、いかがでしたか。
そのデザイン性の高さが大きな特長であるコンクリート打ちっぱなし住宅ですが、それ以外にも魅力的な特長があることはお分かりいただけたのではないでしょうか。
デザイン性を重視したために、その機能性を犠牲にしていることは否めませんが、最終的になにをメリットと捉え、なにをデメリットと捉えるかは人それぞれです。
今回お話ししたことを参考にしていただき、あなたの素敵な住まいづくりにぜひとも役立ててください。
2019.9.28