鉄骨と鉄筋はどう違う? その違いを詳しく・分かりやすく解説!
私たちの生活の基本となる衣食住の「住」を意味する、家やビルなどの建築物の構造には、木造、鉄骨造、鉄筋造などが主にあります。その中でも、鉄骨造と鉄筋造の違いを知らない方や、なんとなくは知っているが具体的な違いは分からない、といった方は意外にも多いのではないでしょうか。今回は、よく混同されやすい「鉄骨」と「鉄筋」の違いについてご紹介します。
建物の柱や梁(はり)などの骨組みに「鉄骨」を使用した構造のことで、S造(Steal Construction)と表記されます。一般的には、主要なパーツを工場で事前に製造し、それらを現地で組み立てる建築方法です。鉄骨に用いられる鉄は、一般的な鉄とは異なり、加工し強度を増したものとなります。しかし、鉄骨自体は熱に弱いため、耐火被覆(鉄を火災の熱から守るため、耐火性・断熱性の高い材料で覆う加工)が必要になります。
また、鉄骨造の建物は重量が重くなるため、建築する際には建物をしっかりと支えられる頑丈な地盤が必要となります。さらに、鉄骨造の中でも、「軽量鉄骨造」と「重量鉄骨造」に分類されます。この2種類の鉄骨造は建物のタイプや用途によって使い分けがされています。
鉄骨の鋼材の厚さが6mm未満のものを指します。軽量鉄骨造は量産されているものが多く、工場などで予め決められた規格の鉄骨が製造されています。そのためコストも抑えられ、短い工期での建築が可能な場合が多いとされています。しかしその一方で、規格製品であるために、建物のデザインや構造、間取りなどが選べないなどの制限があり、重量鉄骨造のような広い空間を設計するのが難しいという点や、法的耐用年数に関しては、鋼材の厚さが3mm以下の鉄骨の場合は19年、4mm以下の場合は27年となり、長期的な目で考えると、リフォームなどのコストがかかってくるという点も考慮する必要があります。この構造は、主に一般的な住宅やコンビニのような小規模で低層の建築物に使用されています。
鉄骨の鋼材の厚さが6mm以上のものを指します。軽量鉄骨造に比べ強度が高いため、耐震性や耐久性にも優れており、安定性も高く、広い空間や複雑なデザインにも対応することが可能です。しかし、規格製品のように量産されてはいないため、コストは高くなります。
また、法的耐用年数は34年と軽量鉄骨造よりも長くなっています。
この構造は、主にビルやマンションのような規模の大きい高層の建築物に使用されています。
鉄筋造は、正しくは「鉄筋コンクリート造」のことであり、柱や梁などが鉄筋とコンクリートの2つから構成され、鉄筋でできた型枠をコンクリートで覆って造られます。こちらは、RC造(Reinforced Concrete Construction)と表記されます。鉄筋は、張力(引っ張る力)は強い一方で、圧力に弱く錆びやすいですが、コンクリートは、圧縮力(押しつぶす力)や熱に強い一方で、張力は弱いという相互の欠点を補い、組み合わせたものが鉄筋コンクリート造です。強靭で頑丈な構造で、広い空間やデザインも自由に設計でき、耐火性・耐震性・防音性にも優れています。そして、法的耐用年数も47年と鉄骨造に比べ長いことが特徴です。しかし、建築までにかかる工期も長く、コストも鉄骨造に比べ高くなります。また、強固なつくりであるため、もしも、建物を取り壊す場合の解体費用も高額になるケースが多いです。この構造は、主に中層のマンションやビルなどに使用されています。しかし、近年では強化コンクリートなどを用いることで、高層の建築物においても、この構造が採用されるケースも増加してきているようです。
上記で紹介した、鉄骨造と鉄筋コンクリート造の2つを掛け合わせた「鉄筋鉄骨コンクリート造」という構造も存在し、SRC造(Steel Reinforced Concrete Construction)と表記されます。
この構造は、鉄筋コンクリートの柱や梁の中心部分に鉄骨を入れることでより強固になり、鉄骨の柔軟性と、鉄筋コンクリートの剛性を兼ね備えたものになります。そして、鉄筋コンクリート造よりもさらに耐震性が強化され、尚且つ、その高い耐震性を保ったまま、柱などを小さくすることが可能となっています。一方で、建築コストは鉄筋コンクリートよりもさらに高くなり、家賃相場も高い傾向にあります。また、鉄骨を用いるため、建築物のデザインの幅も狭まってしまいます。さらには重量も重くなるため、建築する場所の地盤は強固である必要があります。この構造は、主に高層から超高層のマンションやビルに使用されています。
鉄骨と鉄筋は一見、類似したもののように感じますが、実際に詳しく見ると、似て非なるものであり、全く異なる構造であることが分かります。上記でご紹介したように、それぞれに違ったメリットやデメリットがありますが、もし、住居を購入する、または借りることを検討する時には、コスト面や安全面など、皆さんが各々に重視したいポイントから選択してみてはいかがでしょうか。
鉄骨造とは
建物の柱や梁(はり)などの骨組みに「鉄骨」を使用した構造のことで、S造(Steal Construction)と表記されます。一般的には、主要なパーツを工場で事前に製造し、それらを現地で組み立てる建築方法です。鉄骨に用いられる鉄は、一般的な鉄とは異なり、加工し強度を増したものとなります。しかし、鉄骨自体は熱に弱いため、耐火被覆(鉄を火災の熱から守るため、耐火性・断熱性の高い材料で覆う加工)が必要になります。
また、鉄骨造の建物は重量が重くなるため、建築する際には建物をしっかりと支えられる頑丈な地盤が必要となります。さらに、鉄骨造の中でも、「軽量鉄骨造」と「重量鉄骨造」に分類されます。この2種類の鉄骨造は建物のタイプや用途によって使い分けがされています。
軽量鉄骨造
鉄骨の鋼材の厚さが6mm未満のものを指します。軽量鉄骨造は量産されているものが多く、工場などで予め決められた規格の鉄骨が製造されています。そのためコストも抑えられ、短い工期での建築が可能な場合が多いとされています。しかしその一方で、規格製品であるために、建物のデザインや構造、間取りなどが選べないなどの制限があり、重量鉄骨造のような広い空間を設計するのが難しいという点や、法的耐用年数に関しては、鋼材の厚さが3mm以下の鉄骨の場合は19年、4mm以下の場合は27年となり、長期的な目で考えると、リフォームなどのコストがかかってくるという点も考慮する必要があります。この構造は、主に一般的な住宅やコンビニのような小規模で低層の建築物に使用されています。
重量鉄骨造
鉄骨の鋼材の厚さが6mm以上のものを指します。軽量鉄骨造に比べ強度が高いため、耐震性や耐久性にも優れており、安定性も高く、広い空間や複雑なデザインにも対応することが可能です。しかし、規格製品のように量産されてはいないため、コストは高くなります。
また、法的耐用年数は34年と軽量鉄骨造よりも長くなっています。
この構造は、主にビルやマンションのような規模の大きい高層の建築物に使用されています。
鉄筋造とは
鉄筋造は、正しくは「鉄筋コンクリート造」のことであり、柱や梁などが鉄筋とコンクリートの2つから構成され、鉄筋でできた型枠をコンクリートで覆って造られます。こちらは、RC造(Reinforced Concrete Construction)と表記されます。鉄筋は、張力(引っ張る力)は強い一方で、圧力に弱く錆びやすいですが、コンクリートは、圧縮力(押しつぶす力)や熱に強い一方で、張力は弱いという相互の欠点を補い、組み合わせたものが鉄筋コンクリート造です。強靭で頑丈な構造で、広い空間やデザインも自由に設計でき、耐火性・耐震性・防音性にも優れています。そして、法的耐用年数も47年と鉄骨造に比べ長いことが特徴です。しかし、建築までにかかる工期も長く、コストも鉄骨造に比べ高くなります。また、強固なつくりであるため、もしも、建物を取り壊す場合の解体費用も高額になるケースが多いです。この構造は、主に中層のマンションやビルなどに使用されています。しかし、近年では強化コンクリートなどを用いることで、高層の建築物においても、この構造が採用されるケースも増加してきているようです。
鉄筋鉄骨コンクリート造とは
上記で紹介した、鉄骨造と鉄筋コンクリート造の2つを掛け合わせた「鉄筋鉄骨コンクリート造」という構造も存在し、SRC造(Steel Reinforced Concrete Construction)と表記されます。
この構造は、鉄筋コンクリートの柱や梁の中心部分に鉄骨を入れることでより強固になり、鉄骨の柔軟性と、鉄筋コンクリートの剛性を兼ね備えたものになります。そして、鉄筋コンクリート造よりもさらに耐震性が強化され、尚且つ、その高い耐震性を保ったまま、柱などを小さくすることが可能となっています。一方で、建築コストは鉄筋コンクリートよりもさらに高くなり、家賃相場も高い傾向にあります。また、鉄骨を用いるため、建築物のデザインの幅も狭まってしまいます。さらには重量も重くなるため、建築する場所の地盤は強固である必要があります。この構造は、主に高層から超高層のマンションやビルに使用されています。
終わりに
鉄骨と鉄筋は一見、類似したもののように感じますが、実際に詳しく見ると、似て非なるものであり、全く異なる構造であることが分かります。上記でご紹介したように、それぞれに違ったメリットやデメリットがありますが、もし、住居を購入する、または借りることを検討する時には、コスト面や安全面など、皆さんが各々に重視したいポイントから選択してみてはいかがでしょうか。
2020.3.25