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解体工事にクレームがきたらどうする?対策方法をご紹介

解体工事では、近隣住民の迷惑にならないように対策を施したうえで作業を行うのが一般的とされています。けれども、工事に対するクレームが発生してしまうことが多々あるのが現状です。近隣住人はどのような被害を感じるケースが多いのか、まずは実際に生じている被害を紹介していきます。

クレームの主な原因


解体工事を行なうときに避けられない被害が騒音と振動です。
実際に、工事中の騒音や振動についての相談は多い傾向にあるようです。また、粉塵による問題や路上駐車によるトラブルも少なくありません。

騒音・振動


解体工事に対するクレームで最も多いとされているのは騒音や振動に対するクレームです。重機を使用して建物を壊していくため、どうしても騒音や振動を避けることができません。
関連する法律に環境省が定める「騒音規制法」があります。これは、工場及び事業場における事業活動や建設工事に伴って発生する騒音について必要な規制を行なうことにより、生活環境を保全し国民の健康の保護に資することを目的としている法律です。
対策としては、騒音や振動を最小限に抑える養生シートが必須になります。また、工事前の事前挨拶で告知した時間を厳守することが大切です。

粉塵


日本の木造家屋の寿命は約30年と言われています。そのため、解体工事をする建物は30年以上前に建てられたものがほとんどになります。そのため、建物を解体する際は溜まったホコリが飛散してしまうことがあります。それ自体はやむを得ないことではありますが、適切な対策なしでは近隣住民に大きな被害を与えてしまうことになります。具体的には住居への被害や車への被害、洗濯物への被害などを挙げることができます。また人体への被害という点では、アスベストが含まれる粉塵に注意が必要です。アスベストは1970年から1990年頃にかけて建築物に多く使用されてきました。2006年以降については、「労働安全衛生法施行令」により原則としてアスベストの使用が禁止されています。
対策としては、事前の挨拶や養生シートの設置、防飛ネットの設置や散水といった行動をとることが求められます。また、こうした被害があることを念頭に置いた上で解体工事と向き合っていくことが大切です。

路上駐車


解体工事中は、重機や車の駐車により道を塞いでしまう事があります。とくに狭い道路の場合は、車だけでなく人も通りづらいという理由から、近隣住民に迷惑をかけてしまいます。通常なら工事前に警察署へ「道路使用許可」を申請しているので違法性こそありませんが、近隣の方は不満に思う場合が多いです。もしも道路の使用許可を取得していないとなると、車両に関する大きなトラブルに発展するケースも考えられるので注意しておきましょう。
解体工事の現場付近の交通量が多い場合には、警備員を配置するなどして対策をとる必要があります。警備員を配置する場合は追加で費用が発生するため、依頼する解体業者に要否を聞いておくのが良いでしょう。

クレームを未然に防ぐには


工事中に発生するクレームの主な原因について見てきました。近隣住民への被害を最小限に抑えることが出来たとしても、クレームが来てしまうと今後の居心地が悪くなる可能性があります。では、クレームなく工事を円滑に進めるにはどうすれば良いのでしょうか?ここからは、クレームを未然に防ぐための方法を見ていきましょう。

挨拶回り


解体工事前の挨拶回りは必須です。一般的には解体業者が挨拶回りを行いますが、施主も一緒に挨拶へ行く方が望ましいです。
工事中は騒音や粉塵被害を発生させてしまうものなので、近隣住民に迷惑をかけてしまいます。しかし、施主が誠意を持って工事の説明をすることで印象は格段に良くなります。訪問時に不在だった住民には、解体工事の日程や問合せ先を記載した挨拶状をポストに投函しておくのが良いでしょう。万一、クレームが発生した場合「業者は来たが、施主からの挨拶はなかった」と揚げ足をとられることがあるので、なるべく対面での挨拶回りを行うようにしましょう。
工事中のクレームも一般的には業者が対応してくれます。ただ、すべてを業者に任せるより施主が直接対応した方が良い場合もあるので、工事に関するクレームがあれば必ず自分に連絡してもらうようにしましょう。

防音性の高い工事


通常、解体工事を行う際には「養生シート」と呼ばれる防音シートで建物を囲み、騒音や粉塵被害を防げます。防音を怠ってしまうとクレームは免れないので、事前に工事内容を良く確認するべきです。また費用はかかりますが、より防音性の高いシートに交換する事で、クレームのリスクを下げることが可能です。

最後に


いかがでしたでしょうか、解体工事には騒音や振動など近隣住民のとって迷惑となる要素がいくつもあります。その対策としては、近隣住民とのコミュニケーションが一番有効だと考えられます。そのため、すべて業者に任せっきりといった態度は避けたほうが良いですね。

2020.8.12