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「罹災証明書」は法人名義でも発行可能?個人名義のものとの違いは?

被災したらすぐに申請するべき「罹災証明書」とは?


大規模な自然災害や、断続的に続く大雨による災害、火災や爆発などによる災害などは、いつどこで発生するかわからないため、いざという時のための備えがしにくいというのが実情です。しかし、災害に見舞われた際にどのような順序で何をするべきかを事前に確認しておくことは、とても大切なことです。

 

そもそも「罹災証明書」とは?


「罹災証明書」とは、台風や地震などの自然災害や火災、爆発などが起こった際に、保険会社に保険金を申請する時や、国や自治体からの被災者支援を受け取る際に、被災したという事実や損壊の程度を示すために必要となる、公的な証明書のことを指します。この「罹災証明書」に記載された被害状況を元に、受け取れる補助金や保険金、助成金などの金額が決められるため、この書類がないと、支援の申請すらすることができず、生活に支障をきたしてしまいます。特に大規模な災害が起こった際は、多くの人が一気に申請し、発行するまで長い間待たなくてはいけなくなってしまうので、被災したら一番に「罹災証明書」の申請をしておきましょう。

 

「罹災証明書」発行の対象になるのは?


「罹災証明書」発行の対象となる要件は、各自治体によって様々ですが、一般的には、「罹災証明書」を申請をする場所と同一市内(同一エリア内)で災害にあったこと、実際に被害を被った被災者であること、そして、災害発生時の時点で、居住を目的として運用されていた建物であること(持ち家でない、アパートなどの賃貸であっても申請可能)とされていることが多く、法人が管理している事務所や店舗、倉庫や法人からのなどは、居住目的のための建物でないため、「罹災証明書」の対象外とされていることが一般的です。 また、法人からの申請についても対象外としている自治体がほとんどです。

 

「罹災証明書」の被害のレベル


「罹災証明書」に記載される被害のレベルの基準は、火災の場合は、「全焼」、「半焼」、「部分焼」に分けられており、「全焼」は住居全体の70%以上を占める部分が燃焼てしまった場合、「半焼」は、住居全体の20%以上70%未満を占める部分が燃焼してしまった場合、そして「部分焼」は、住居全体の10%以上20%未満を占める部分が燃焼してしまった場合に用いられます。また、火災以外の災害に関しては、「全壊」、「大規模半壊」、「半壊」、「一部損壊」、河川が氾濫した際や津波などにより、住居に水が土砂が流れ込んできた場合には、「床上浸水」、「床下浸水」というように被害の内容や程度によって明確に分けられています。

 

法人名義の建物が被害にあった場合


上記では、「罹災証明書」の基本的な知識についてご紹介してきましたが、法人名義の建物が被害にあった場合はどのような取り扱いになるのでしょうか。

 

「罹災証明書」は発行してもらえるの?


法人名義の建物が被害にあった場合ですが、上記でも軽く説明し通り、ほとんどの自治体では法人からの申請は、「罹災証明書」の発行の対象外となっています。その理由は、法人の場合は居住実態がないこと、そして、法人が管理しうる事務所・店舗・倉庫などの建物も同様に居住を目的とした建物ではないからです。

 

法人が「罹災証明書」の発行を受けられる場合


ほとんどの自治体では、法人は「罹災証明書」の発行の対象外とされていると上記でご紹介しましたが、一方で、全国には、法人名義の建物であっても「罹災証明書」を申請できたり、法人として「罹災証明書」を申請することができるとする自治体もあります。例として、兵庫県の神戸市を参考に説明していきます。

 

申請窓口はどこ?


神戸市における申請窓口は、各区によって分けられています。どの区で申請する場合も、まずは区役所に行く必要がありますが、担当部署は総務課であったり、市民課であったり、保険年金医療課であったりと様々なので、事前に該当する担当部署をホームページなどで探す必要があります。

 

申請に必要な書類は?


「罹災証明書」を申請するにあたって持参するべき必要書類は、窓口で申請する場合と郵送似て申請する場合、また代表者が申請する場合と、社員が申請する場合とで変わってきます。

まず、窓口で申請する場合についてです。個人として申請するためには、本人確認書類、被害状況が確認できる写真、罹災証明書交付申請書の3点ですが、法人として申請する場合のうち、代表者が申請する場合は、被害状況が確認できる写真、罹災証明書交付申請書の他に、代表者の本人確認書類、そして法人登記事項証明書や代表者事項証明書など、法人名や所在地、代表者名が確認できるものの4点を提出する必要があります。一方で、社員が申請する場合は、被害状況が確認できる写真、罹災証明書交付申請書、法人登記事項証明書や代表者事項証明書など、法人名や所在地、代表者名が確認できるものの他に、社員本人の身分確認書類、と社員証などのその法人の社員であることを確認できるものを提出する必要があります

次に郵送で申請する場合についてです。個人の場合は、申請者の身分証明書のコピー(パスポート、運転免許証など)、対象である住居の位置がわかる地図、被害状況が確認できる写真および住居全体の写真、罹災証明書交付申請書、そして返信用封筒(返送先、名前、切手をすでに貼ったもの)が必要になりますが、法人として申請する場合のうち、代表者が申請する場合は、上記の物に加え、代表者の本人確認書類のコピーと、法人登記事項証明書・代表者事項証明書等、法人名・所在地・代表者名が確認できるもののコピーが必要になります。

一方で、社員が代わりに申請する場合は、上記の物に加え、社員証など社員であることを確認できるもののコピーと、社員本人の確認書類のコピーが必要になります。

まとめ


「罹災証明書」の発行を法人として申請できるかどうか、また法人名義の建物に対して、「罹災証明書」を発行できるかどうかについては、各自治体によって考え方が様々です。「罹災証明書」の発行には、その建物が居住を目的とした施設であることを重視する自治体がある一方で、法人として代表者もしくは社員であっても必要書類さえ揃っていれば、「罹災証明書」の申請を行えてしまう地域もあります。そのため、一概に「罹災証明書」を法人として取得するにはこのようにするべきというのが、言えません。法人として、「罹災証明書」を発行したいという方は、建物を管轄している地域がどのような決まりを儲けているのか、事前に確認しておく必要があります。

2021.8.17