解体工事でお祓いのやり方って?詳しい手順も紹介します!
解体工事を決めたはいいものの、神棚や仏壇が家にある場合や、長年住んだ家を取り壊すならどのようにお祓いを行うべきか…と悩む方もいらっしゃることと思います。
特に神道の考え方が浸透している日本では、あらゆるものには神が宿っているとされるため手放す際にもそのような意識が生まれるのでしょう。
そもそも、解体工事にお祓いは必須ではありません。しかし、施主側の信仰心や土地や家屋への思い入れの強さからお祓いを執り行うことも多いです。どのような手順でお祓いを執り行えば良いのかご紹介します。
お祓いは、宗教儀式の一部なので科学的根拠があるものではありません。お祓いとは、仏壇や神棚、井戸などを移動したり取り壊す際に、そこに宿っているとされる「神仏の魂抜き」のことを指します。
魂抜きをすることは、厄除けになったり、神仏への感謝を表したりすることにつながると一般的には考えられています。日本のような神仏習合の文化に特徴的な考え方であると言えるでしょう。
しかし、先ほども書いた通り、お祓いはあくまで風習なので、お祓いをする理由は施主によっても様々です。
解体工事前にするお祓いについてご紹介します。
建物の解体前後、さらに解体するものによってお祓いの内容が異なりますので、注意が必要です。
建物の解体前に行うお祓いは、「解体清祓(かいたいきよばらい)」です。これは、「これまで長年にわたり、何事もなく無事に過ごさせていただいた感謝の気持ちを表すとともに、取り壊しの事情を奉告し、また、お許しをいただき、解体工事がすみやかに無事終了するように祈願する」(兵庫県神社庁より抜粋)ことを目的に行われます。
解体清祓は基本的に、近くの神社や氏神様の神主さんに出張祭典を依頼し、解体する敷地内で行われます。
申し込み方法は神社によってそれぞれ異なるので、ホームページを見たり来社して問い合わせてください。最近では、インターネットから直接申し込める神社も増えているみたいなので予約がしやすく嬉しいですね。
厄払いなどを受け付けているような大きな神社だと大抵は建物の解体に伴うお祓いを執り行っているようです。
解体清祓と一言で言っても規模や内容は神社のやり方や施主側の要望によって異なります。所要時間も20分ほどで終わるものから1時間かかる大掛かりなものまであるので、ご自身の要望を神主さんに伝えましょう。
ここでは、式次第の一例をご紹介します。
(1)開式の辞
(2)修祓の儀(しゅばつのぎ):祓い清めます。
(3)降神の儀(こうしんのぎ):神様をお招きします。
(4)献饌の儀(けんせんのぎ):神様のお食事をお供えします。
(5)祝詞奏上(のりとほうじょう):宮司さんよりお祈りの言葉が述べられます。
(6)清祓の儀(きよばらいのぎ):建物の四隅や入り口を清祓します。
(7)取毀の儀(とりこぼちのぎ):神様に建物を壊すことをお伝えします。
(8)玉串奉奠(たまぐしほうてん):宮司さんまたは参加者一同が玉串をお供えして拝礼します。
(9)撤饌の儀(てっせんのぎ):先ほどお供えした神饌を下げます。
(10)昇神の儀(しょうしんのぎ):神様を元の御座にお送りします。
(11) 閉式の辞
解体清祓に際して依頼主側が準備するものもあるので事前に確認しましょう。
米、酒、塩、水、野菜や果物などに用意をお願いされることが多いようです。参加者の人数も依頼主側が決めることですが、可能であれば解体業者の方にも参列してもらうと良いとされています。
一般的に、3~5万円を目安に初穂料としてお納めします。この他、神饌という神様にお供えするものをご自身で用意できない場合は、5000円程度で神社側が用意してくれるところもあります。
また、神職の方のお車代等は基本的に依頼主負担です。初穂料をお渡しする際は「初穂料」や「玉串料」とのし袋の表側に書いてお渡ししましょう。
家以外のものでお祓いが必要とされる代表的なものは以下のものです。
工事の工程上、処分せざるを得なくなったり、もう不要になったりと理由は様々ですが、古来より水や樹木には特に神々が宿っているとされ、大切に扱われてきました。
お祓いの内容としては、処分する対象の前に祭壇を置き、海のものや山のもの、野菜果物などをお供えして、今までの恵みに感謝を表すと同時に、工事を無事を祈ります。依頼先は、清祓と同様に神社で、お祓いの所要時間はそれぞれ20〜30分程度です。
神棚や仏壇は、撤去前に「魂抜き」を行ってから撤去します。神棚の場合は、神棚納めといい祈祷とお焚き上げをします。基本的には、感謝の意を込めて掃除した神棚を神社に持ち込み、神社でお清めとお祓いの後と、お焚き上げを行ってもらいます。本来なら、祈祷受付所などで祈祷を行ってからお焚き上げを行う、という流れなのですが、近年はこれらをセット且つ簡略化したものを行っている神社が増えているみたいです。
また、神棚を持ち込むことが困難である場合には、神社に出張祭典を依頼し、お清めとお祓いを行ってもらい魂抜きをします。
仏壇の場合、依頼先はお寺ですのでご注意ください。また、魂抜きをするのは仏壇全体ではなく、位牌です。仏壇設置時に、菩提寺に開眼供養をしてもらうことが一般的ですが、処分時に
反対に「閉眼供養」を菩提寺に依頼します。閉眼供養後は、神棚同様お焚き上げをしてもらうか、専門業者に引き取ってもらいましょう。
井戸祓いと樹木祓い、神棚は、依頼先が神社ですので初穂料としてそれぞれ2〜4万円で設定されていることがほとんどです。前述の通り、神社によっては神饌という神様のお食事をご自身で用意できない場合は、別途5000円ほど払い神社に用意してもらうことも可能です。
しかし、初穂料は費用というよりお気持ちとしてお渡しするお金なので、相場を見て神社の方と相談するのもよいでしょう。お渡しする際には、のし袋の正面に「初穂料」、裏面に依頼主の住所と氏名を記入してください。
仏壇の位牌の場合は、菩提寺に依頼するので初穂料ではなく「お布施」です。一般的には、1~5万円で設定されているお寺が多い一方、明確に料金提示をしていないお寺もあるので不明な場合は問い合わせてみてください。お布施はもともと、お坊さんの労働に対する対価というより
「お寺への寄付」という位置づけなので、このことも鑑みてお渡しする額を決めるのもよいかと思います。
建物の解体工事に際して、お祓いは必ずしも必要ではないものの、建物への感謝の意を表することと工事の安全祈願とを兼ねてお祓いすると良いでしょう。
お祓いというと手順やしきたりなど、敷居が高く感じられてしまいますが、実際に調べてみると申し込み方法から所要時間まで、それほど難しいものではないという印象を受けました。祈祷を行っている神社では解体清祓を行っていることも多いようです。
しかし、式次第や初穂料の設定などは寺社によってそれぞれ異なるので、解体工事前にお祓いを考えているならばお近くの寺社に問い合わせることが一番かと思います。お祓いを行ってもらい、気持ちよく解体工事に臨みましょう。
特に神道の考え方が浸透している日本では、あらゆるものには神が宿っているとされるため手放す際にもそのような意識が生まれるのでしょう。
そもそも、解体工事にお祓いは必須ではありません。しかし、施主側の信仰心や土地や家屋への思い入れの強さからお祓いを執り行うことも多いです。どのような手順でお祓いを執り行えば良いのかご紹介します。
そもそもなぜお祓いをするのか
お祓いは、宗教儀式の一部なので科学的根拠があるものではありません。お祓いとは、仏壇や神棚、井戸などを移動したり取り壊す際に、そこに宿っているとされる「神仏の魂抜き」のことを指します。
魂抜きをすることは、厄除けになったり、神仏への感謝を表したりすることにつながると一般的には考えられています。日本のような神仏習合の文化に特徴的な考え方であると言えるでしょう。
しかし、先ほども書いた通り、お祓いはあくまで風習なので、お祓いをする理由は施主によっても様々です。
解体工事前にするお祓い
解体工事前にするお祓いについてご紹介します。
家の解体前には安全祈願を
建物の解体前後、さらに解体するものによってお祓いの内容が異なりますので、注意が必要です。
建物の解体前に行うお祓いは、「解体清祓(かいたいきよばらい)」です。これは、「これまで長年にわたり、何事もなく無事に過ごさせていただいた感謝の気持ちを表すとともに、取り壊しの事情を奉告し、また、お許しをいただき、解体工事がすみやかに無事終了するように祈願する」(兵庫県神社庁より抜粋)ことを目的に行われます。
まずは神社に問い合わせから
解体清祓は基本的に、近くの神社や氏神様の神主さんに出張祭典を依頼し、解体する敷地内で行われます。
申し込み方法は神社によってそれぞれ異なるので、ホームページを見たり来社して問い合わせてください。最近では、インターネットから直接申し込める神社も増えているみたいなので予約がしやすく嬉しいですね。
厄払いなどを受け付けているような大きな神社だと大抵は建物の解体に伴うお祓いを執り行っているようです。
解体清祓の流れ
解体清祓と一言で言っても規模や内容は神社のやり方や施主側の要望によって異なります。所要時間も20分ほどで終わるものから1時間かかる大掛かりなものまであるので、ご自身の要望を神主さんに伝えましょう。
ここでは、式次第の一例をご紹介します。
(1)開式の辞
(2)修祓の儀(しゅばつのぎ):祓い清めます。
(3)降神の儀(こうしんのぎ):神様をお招きします。
(4)献饌の儀(けんせんのぎ):神様のお食事をお供えします。
(5)祝詞奏上(のりとほうじょう):宮司さんよりお祈りの言葉が述べられます。
(6)清祓の儀(きよばらいのぎ):建物の四隅や入り口を清祓します。
(7)取毀の儀(とりこぼちのぎ):神様に建物を壊すことをお伝えします。
(8)玉串奉奠(たまぐしほうてん):宮司さんまたは参加者一同が玉串をお供えして拝礼します。
(9)撤饌の儀(てっせんのぎ):先ほどお供えした神饌を下げます。
(10)昇神の儀(しょうしんのぎ):神様を元の御座にお送りします。
(11) 閉式の辞
解体清祓に際して依頼主側が準備するものもあるので事前に確認しましょう。
米、酒、塩、水、野菜や果物などに用意をお願いされることが多いようです。参加者の人数も依頼主側が決めることですが、可能であれば解体業者の方にも参列してもらうと良いとされています。
諸費用は?
一般的に、3~5万円を目安に初穂料としてお納めします。この他、神饌という神様にお供えするものをご自身で用意できない場合は、5000円程度で神社側が用意してくれるところもあります。
また、神職の方のお車代等は基本的に依頼主負担です。初穂料をお渡しする際は「初穂料」や「玉串料」とのし袋の表側に書いてお渡ししましょう。
家以外のものを撤去する際は
家以外のものでお祓いが必要とされる代表的なものは以下のものです。
井戸祓い、樹木祓い
工事の工程上、処分せざるを得なくなったり、もう不要になったりと理由は様々ですが、古来より水や樹木には特に神々が宿っているとされ、大切に扱われてきました。
お祓いの内容としては、処分する対象の前に祭壇を置き、海のものや山のもの、野菜果物などをお供えして、今までの恵みに感謝を表すと同時に、工事を無事を祈ります。依頼先は、清祓と同様に神社で、お祓いの所要時間はそれぞれ20〜30分程度です。
神棚や仏壇はどうする?
神棚や仏壇は、撤去前に「魂抜き」を行ってから撤去します。神棚の場合は、神棚納めといい祈祷とお焚き上げをします。基本的には、感謝の意を込めて掃除した神棚を神社に持ち込み、神社でお清めとお祓いの後と、お焚き上げを行ってもらいます。本来なら、祈祷受付所などで祈祷を行ってからお焚き上げを行う、という流れなのですが、近年はこれらをセット且つ簡略化したものを行っている神社が増えているみたいです。
また、神棚を持ち込むことが困難である場合には、神社に出張祭典を依頼し、お清めとお祓いを行ってもらい魂抜きをします。
仏壇の場合、依頼先はお寺ですのでご注意ください。また、魂抜きをするのは仏壇全体ではなく、位牌です。仏壇設置時に、菩提寺に開眼供養をしてもらうことが一般的ですが、処分時に
反対に「閉眼供養」を菩提寺に依頼します。閉眼供養後は、神棚同様お焚き上げをしてもらうか、専門業者に引き取ってもらいましょう。
諸費用と呼び方の注意点
井戸祓いと樹木祓い、神棚は、依頼先が神社ですので初穂料としてそれぞれ2〜4万円で設定されていることがほとんどです。前述の通り、神社によっては神饌という神様のお食事をご自身で用意できない場合は、別途5000円ほど払い神社に用意してもらうことも可能です。
しかし、初穂料は費用というよりお気持ちとしてお渡しするお金なので、相場を見て神社の方と相談するのもよいでしょう。お渡しする際には、のし袋の正面に「初穂料」、裏面に依頼主の住所と氏名を記入してください。
仏壇の位牌の場合は、菩提寺に依頼するので初穂料ではなく「お布施」です。一般的には、1~5万円で設定されているお寺が多い一方、明確に料金提示をしていないお寺もあるので不明な場合は問い合わせてみてください。お布施はもともと、お坊さんの労働に対する対価というより
「お寺への寄付」という位置づけなので、このことも鑑みてお渡しする額を決めるのもよいかと思います。
さいごに
建物の解体工事に際して、お祓いは必ずしも必要ではないものの、建物への感謝の意を表することと工事の安全祈願とを兼ねてお祓いすると良いでしょう。
お祓いというと手順やしきたりなど、敷居が高く感じられてしまいますが、実際に調べてみると申し込み方法から所要時間まで、それほど難しいものではないという印象を受けました。祈祷を行っている神社では解体清祓を行っていることも多いようです。
しかし、式次第や初穂料の設定などは寺社によってそれぞれ異なるので、解体工事前にお祓いを考えているならばお近くの寺社に問い合わせることが一番かと思います。お祓いを行ってもらい、気持ちよく解体工事に臨みましょう。
2020.11.17