あんしん匠サポートセンター

解体業者の選び方

解体工事の現場から出てきた地中埋設物について

解体工事の現場には、塀の撤去や内装の取り壊しなどの一部の解体から、一軒家やマンション、工場の解体など規模も様々です。そこでは瓦礫類やコンクリート・アスファルトなどの廃棄物も発生します。そうした廃棄物の中でも、取り扱いに注意しなければいけないのが地中埋設物です。地面の下に埋まっているものの中には、建築物の古い基礎部分や、建築資材など様々なものがあります。そのままにしておくと、今後更地にした後に建てるための工事にも支障をきたすだけではなく、衛生面や健康面にも被害が及ぶ可能性がでてきます。今回はそうした地中埋設物とはどのようなものか、どの様な対処法が必要なのかを見ていきます。

解体工事は、公共の大規模な建造物や、高層マンションや一戸建てまで、様々な建物などを取り壊す作業です。解体工事では瓦礫類やコンクリート・アスファルトなど大量の廃棄物も発生します。これは建物を取り壊す際に発生するものだけではなく地下の部分に埋設されたものもあります。地下にも古い基礎部分が残っていることや、昔のコンクリートや瓦屋根の廃材が埋設されていることもあります。今回は、地中埋設物とはどの様なものがあるのか、撤去するにはどれくらいの費用がかかるのかといったことを紹介していきます。

地中埋設物とは


解体工事で地面を掘っていくと、地中から出てくる埋設物が地中埋設物です。地中埋設物には撤去をしないと、後々大問題になるようなものまで埋まっていることがあります。いったいどのような物が埋まっているのかタイプ別に紹介していきます。

建築廃材としての埋設物


コンクリートや鉄骨、瓦屋根など、建築廃材がそのまま地下に埋設されている場合です。昔の解体業者が、廃材の処理費用を抑えるためにに解体で出た廃材をそのまま地下に埋めて処分する業者もいたからです。穴を深く掘ってから廃材を埋めて重機で圧力をかけることによって、見た目では埋設物の有無は分かりません。しかし、このような埋設物が地下にある場合は、新しく家を建てた際の基礎工事の障害になります。土地を売却した後に、埋設物が見つかれば責任を問われるケースもあるため、悪徳業者には注意しましょう。

もともとある埋設物


地中埋設物の中には、解体業者による故意の埋設物以外に、もともと地下に埋設されているものもあります。例えば井戸や土管、浄化槽などです。浄化槽は通常解体工事で撤去されるのですが、そのまま埋まっているケースもあります。また、井戸に関してはすべて掘り出すことは難しいため埋め戻す工事が必要です。そのままにしておくと地盤沈下などの事故にもつながります。

岩や石


地中から出てくる埋設物としては、人工的なものばかりとは限りません。地中からは大きな岩や石が出てくる場合もあります。たまたま以前の工事では、建物の妨げにならなかったために、そのまま埋まっているケースもあるのです。あまりにも岩や石が大きな場合には、撤去せずに工事を進める場合もあるようですが、基本的には売買を検討するのであれば今後の工事の妨げにならない様に、撤去しておく方がいいでしょう。

地中埋設物をそのままにしておくリスクついて


地中埋設物は基本的に撤去する必要があります。もし、撤去せずにそのまま放置してしまうとどの様なリスクがあるのでしょうか。そのまま放置した場合のリスクについて見ていきます。

環境的な問題


埋設物の中で浄化槽や汚染物質などが地中に埋もれている場合は、衛生的にも健康的にも問題が出てくるので、必ず撤去しましょう。これらが埋設されたままの状態で放置され続けると、においや汚れが周辺にまで及んできます。特に汚染物質の周辺に与える影響は見た目で分かるものではありません。汚染物質によっては人体にまで影響を及ぼすものもあるため、取り扱いには十分注意しましょう。

地盤の強度の問題


地中埋設物が放置されたままの状態だと、地盤の強度にも影響が出てきます。地盤の強度が低下し、地震などにより大きな被害が出る可能性があります。地震がなくても、地盤沈下によって建物自体に傾きが生じることで建物自体の耐震強度も弱くなる危険もあるでしょう。外構にもヒビが入り、建物が倒壊する危険性もあるため、解体後に建物を新たに建てる場合は、必ず埋設物がないか今一度確認しておきましょう。

損害賠償に注意


地中の埋設物を撤去する義務は売主にあります。解体後に土地を売ることを検討している場合は、特に注意が必要です。地中埋設物を撤去しないまま売却した土地で、買主が工事で埋設物を発見した場合は、売主の責任が問われます。場合によっては撤去費用だけでなく、工事中断のための損害賠償まで請求され、裁判を起こされるケースも出てくるのです。そうならないためにも、しっかりと埋設物を撤去してもらうように解体業者に伝えておきましょう。

地中埋設物を撤去するには


実際撤去するにはどうしたらいいでしょうか。もっとしっかりと撤去するために事前に調査するとしたらどの様な方法があるのか。撤去するには、解体工事の費用以外にかかるのかなど、気になる情報をお届けします、。

事前に調査しておく


解体工事の作業中でたまたま発見される埋設物だけではなく、しっかりと埋設物を撤去したいと考える人もいるでしょう。そんな時には事前の調査がおすすめです。1つ目は地歴調査と言って、過去に何があったのかを調べることによって、何が埋まっているかを検証します。2つ目はボーリング調査で土地に穴を掘って調べます。3つ目が一番適している方法で、地中レーダーを使用します。埋設物をレーダーで探知する方法のため、ボーリングよりも危険性がなく、広範囲で調べることができるのが特徴です。

埋設物の撤去費用について


解体工事中や終了後に埋設物が見つかった場合、撤去するには基本的には解体工事とは別に追加で撤去費用がかかります。事前調査などで最初から埋設物が分かっている場合は見積もりに入っていることもありますが、基本的には追加費用となるケースがほとんどです。地中埋設物の種類により、木くずなのかレンがなのか瓦なのかなどによって費用が異なります。ただし、業者によっては廃棄物の種類ではなく、運搬するトラックの容量によって費用を決めているところもあるので、事前に埋設物の種類と量に応じた費用の相場について確認しておきましょう。

撤去に関するポイント


まずは解体業者選びで悪徳業者につかまらないように、契約や見積もりで不審な点がないが中地しておきましょう。契約をしてからは情報共有が大切です、事前に埋設物につながる情報は伝えておきましょう。また契約書には地中埋設物が見つかった場合のための追加費用の規定を追記してもらいましょう。埋設物が見つかった場合には記録をとってもらうなど、必ず証拠を残しておいてもらうことも大切です。

まとめ


以上、解体における地中埋設物について紹介してきました。なぜ地中に埋設物があるのか、そしてどのような埋設物があるのか事前に知っておくことは非常に大切です。そして、埋設物はそのまま放置するのではなく撤去が必要なことはご理解頂けたと思います。解体工事をする際は、地中埋設物に関して事前にしっかり把握をしておき、適切な処分をしてくれる解体業者を選んでください。

2021.6.3