解体業者の選び方

解体工事では大きな重機やドリルを使って建物を取り壊していくため、たびたび振動や騒音でのトラブルが起こります。重機で住宅の基礎部分にも手を入れる解体工事は他の工事と比べ、より振動や騒音が大きくなりがちです。そのため、近隣からのクレームも大きな問題になっています。解体工事を初めて頼む人は、どれくらい振動や騒音が起こるのか、近隣からクレームが来ないかなど不安も多いと思います。そこで今回は解体工事時の「ゆれ」に焦点を当て、ゆれの原因、起こりがちなトラブル、ゆれに関する規制などをまとめてみました。「振動規制法」、ゆれによるトラブルの回避方法などを解説します！ぜひ参考にしてみてください。

解体工事はなぜゆれる？

使わなくなった建物を取り壊す解体工事。建物の種類は木造や鉄筋コンクリートなどさまざまですが、取り壊す際には大きな重機やドリルを使う場合がほとんどです。重機などを使うと、どうしても振動が発生し、その振動が地面を伝って近隣住宅にも影響します。建設工事と比べても解体工事は大きな重機を使用しがちなので、その分振動も大きくなります。さらに、解体工事では建物の基礎部分や地中埋設物にも手を入れることがあるので、振動がより伝わりやすい傾向にあります。

ゆれの規制

解体工事の際のゆれは、近隣住民に不快感を与えるだけでなく、体調に悪影響を与えることもあります。あまりにもゆれがひどい場合「振動規制法」により工事が規制されることがあります。振動規制法は日本の法令のひとつで、工事などによって発生する振動に対して規制を行うことで、生活環境や国民の健康を守る役割があります。環境省が振動の基準が定めており、市町村長がその基準を超えていると認めると、道路の管理者や都道府県公安委員会に措置を要請できます。具体的に振動の許容範囲は75デシベルまでとされています。また、作業時間帯、日数、曜日等の基準もあり、その基準の中で工事を行う必要があります。

ゆれによるトラブルを回避するために

1日2日の短い期間ならまだしも、あまりにも毎日ひどいゆれが続くと、近隣住民に大きなストレスを与えることになります。最悪の場合、クレームに繋がり、工事が中断させられることも珍しくはありません。工事が中断し、工事が予定通りに終わらないと、解体後の土地利用のスケジュールが狂ってしまったり、追加料金が発生する可能性もあります。そこでゆれによるトラブルを未然に防ぐために、気を付けるべきポイントをご紹介します。

ゆれ対策をきちんとしている業者を選ぶ

解体業者を選ぶ際に、ゆれ対策をきちんととってくれる業者を選ぶことが肝心です。ゆれをなるべく抑える対策としては、低振動型の機械を使用したり、作業時間をなるべく早朝や深夜を避けたり、連続稼働時間を短くしたり、防音シートやパネルを設置したりといった対策があります。ゆれに対してどのような対策をとってくれるか、必ず契約前に確認しましょう。

事前に挨拶回りをする

近隣とのトラブル対策としては、まず工事前の挨拶回りが有効です。近隣の方に工事の内容とスケジュールをお知らせし、施工主と業者の気持ちを直接お伝えする意味合いがあります。挨拶が不十分だと、法律では許容範囲内のゆれだったとしても、クレームに繋がってしまう可能性もあります。工事をスムーズに進めるためにも、挨拶は必ず行いましょう。挨拶回りのタイミングですが、一般的には工事開始の10日～1週間前くらいが適切といわれています。きちんとした業者であれば、近隣への挨拶回りは必ず行います。できれば施工主も一緒に挨拶回りを行うとより丁寧で良い印象を与えられます。もしも業者と時間の都合が合わない場合は、業者からの挨拶の前に「後で業者から詳しい説明がありますのでよろしくお願いします。」などと伝えると良いでしょう。

クレームが入ったら早めの対応を

工事中にクレームが入ったら、一般的には業者が対応してくれます。しかし、施工主が直接対応した方がより円滑に終わるケースもあります。どちらにしろ、クレームが来たらすぐに事情説明に行くなどの対処をするのが肝心です。小さなクレームだからと言って、放置しておいたために、かえってよりひどいクレームに発展することも多いからです。万が一に備え、クレームが入ったら施工主に連絡をもらうよう、業者と事前に打合せしておけると良いでしょう。

まとめ

基礎や地面にも直接重機や機械の手が加わる解体工事は他の工事と比べてゆれがひどくなりがちです。あまりにもゆれがひどい場合は振動規制法で作業が制限されることがあります。ゆれによるトラブルを未然に防ぐには、ゆれ対策をきちんととってくれる業者かしっかり見極めることが肝心です。また、解体業者と施工主で事前に近隣への挨拶回りに行くとより良いでしょう。近隣への迷惑を最小限に抑え、工事を円滑に進めるために、できる限りの対策を行いましょう。