鉄筋コンクリート造の一戸建て-その特長と建築費用とは-

私たちの生活に必要不可欠な「衣食住」。そのひとつである住居には、さまざまなカタチがあります。
“自己所有であるのか”、”賃貸契約を結んでいるのか”といった住居の形態も人それぞれです。一戸建ては自己所有である場合が多く、アパートやマンションは賃貸契約を結んでいることが一般的といってよいでしょう。

また、住居の構造もさまざまです。その代表的なものは以下のとおりです。

木造
鉄筋コンクリート造
鉄骨造 (重量・軽量)
鉄骨鉄筋コンクリート造

上記の構造にはそれぞれの特徴があり、そのメリットが異なります。
日本では木造住居が一般的であり、新築住宅のおよそ70%は木造だといわれています。その背景には、日本では古くから住居に木材が使われてきたということがあるようです。そのため、木造住居は私たち日本人にとって非常に馴染み深い構造だといえるでしょう。
このような日本の住宅事情ですが、近年ではこれに変化が生まれてきました。それは鉄筋コンクリート住宅の台頭です。とりわけ、その一戸建て住宅の人気がいま高まっています。
そこで今回は、鉄筋コンクリート造の一戸建てについてお話ししたいと思います。

鉄筋コンクリート造とは

あなたは”鉄筋コンクリート造”に対してどのようなイメージをお持ちでしょうか。一般的に鉄筋コンクリート造には「頑丈」というイメージが定着しているようですが、これは正解です。

耐用年数が長い
火災に強い
風雨に強い
耐震性に優れる

こうした特長が”鉄筋コンクリートは頑丈である”という一般認識を裏付けています。しかしながら、鉄筋コンクリート造が優れているのはその堅牢性だけではありません。気密性、遮音性にも優れており、その優れた居住性も見逃せません。また、住宅デザインの幅の広さもその人気の理由のひとつでしょう。

日本は地震や台風などの自然災害の多い国です。テレビ中継でその被害状況が報道される際、損傷を受けている多くの住宅は残念ながら木造住宅です。
私たち日本人の自然災害に対する防災意識は年々高まっており、その災害対策のひとつとして、頑丈な鉄筋コンクリート造の住宅に住むという選択肢が選ばれています。

鉄筋コンクリート造の具体的な構造

鉄筋コンクリート造が頑丈であることは多くの人が知っています。ところが、具体的な構造や、その頑丈さの理由を知る人の数はそれに比例していません。ここで、鉄筋コンクリートについて理解を深めておきましょう。

鉄筋コンクリート造はその名のとおり、鉄筋とコンクリートで構成された建物のことを指します。鉄筋コンクリート住宅は、鉄筋を組んだ型枠にコンクリートを流し込み、それを固めて建物を建築していきます。
鉄筋とコンクリートというこれらの異なる素材は、それぞれが持つ特徴の違いを活かすために組み合わされています。

鉄筋 → 張力には強いが熱に弱い
コンクリート → 張力には弱いが熱に強い

上記から、これら2つの素材はそれぞれの弱点を補い合っていることがお分かりいただけるかと思います。このように、鉄筋コンクリート造は合理的な素材の組み合わせから生まれたものなのです。

鉄筋コンクリート造の一戸建てその建築費用

以前は鉄筋コンクリート造の建物といえばビルやマンションでした。ところが近年、これが一般住宅にも普及し、今ではすっかり一般的となりました。
年々そのニーズが高まりつつある鉄筋コンクリート住宅ですが、気になるのはその建築費用です。それでは、他の代表的な住宅構造と比較しながらその費用についてみていきましょう。

以下にご紹介するのは坪単価です。また、建設会社や住居のグレードなどにより、その価格は異なります。そのため、参考価格としてご覧ください。

木造 25万円～75万円
鉄骨造り 45万円～85万円
鉄筋コンクリート造 60～100万円

ご覧のとおり、鉄筋コンクリート造は他の住宅構造に比べて非常に高額です。木造のおよそ2倍の坪単価となります。
性能面ではメリットばかりでいうことなしの鉄筋コンクリート住宅ですが、その高額な価格がネックになっていることは否定できません。しかし、この高額な価格は理屈にかなっています。
以下は住宅構造別の法定耐用年数です。

木造 22年
鉄骨造 34年
鉄筋コンクリート造 47年

いかがでしょうか。その法定耐用年数の長さは群を抜いています。これを分かりやすく表したのが、以下の「耐用年数1年あたりの坪単価価格」です。

木造 2.5万円
鉄骨造り 2,1万円
鉄筋コンクリート造 1.7万円

以上のようになります。
鉄筋コンクリート住宅は初期費用こそ高額ですが、長い目でみればコストパフォーマンスに優れていることがお分かりいただけたと思います。これもまた、その人気のひとつといえるでしょう。

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