解体業者の選び方

何事においても準備は非常に大切なものです。普段気にも留めないことですが、私たちは何かを実行する前には必ず準備を行っています。旅行へ出かけるのにも、料理をするのにも、そして仕事をするのにも準備が必要です。この準備をしっかりと行っていれば、効率よくスムーズに物事を進めることができます。逆にこの準備を怠ってしまうと、不測の事態に適切な対応ができず、そこから思わぬトラブルに発展してしまうことも考えられます。こうしたことがないよう、周到な準備を心がけたいものです。準備はいくらしても、しすぎるということはないのです。

解体工事の騒音問題

解体工事も例に漏れず、その準備は非常に重要です。
建物を解体するにあたって、大きな騒音や粉じんの飛散は避けて通れません。そのため、解体工事を行う際には、近隣の方々への最大限の配慮が必要となります。
解体工事に際して多く発生するトラブルのひとつに、騒音に関するものがあります。解体作業をしている本人たちはさほど気にならない工事の音ですが、近隣の方々にはストレスを感じさせてしまうものなのです。

解体工事における騒音のトラブル事例

解体工事の騒音に関わるトラブル事例をひとつご紹介します。

ある日、都内某所で解体工事を行っていた業者に1本の電話がかかってきました。
工事現場から100mほど離れた住宅に住んでいる、Aさんからの苦情の電話でした。その苦情内容は以下のとおりです。

“おたくの工事がうるさくて眠れない。私は日中眠っているんだ。もう少し静かにならないものか”

解体工事は当然のことながら日中に行っています。こうした工事を夜間には行わず、日中に行う理由は3つ挙げられます。
ひとつは、暗い中で解体工事を行うと作業の危険性が高まるという「安全上の理由」。次に、照明設備を用意することで、余計な経費がかかってしまうという「コスト上の理由」。そして、”朝起きて夜眠る”という人間の基本的なライフサイクルに合わせた「近隣への配慮」からです。
こうした理由に則って、この業者は当然のことながら日中に工事を行っていました。しかしながら、Aさんはいわゆる夜勤のお仕事をしていました。そのため、夜に仕事へ出かけ、朝に就寝するという生活スタイルだったのです。
このトラブル事例は非常に難しいケースといえます。業者も弁解をしましたが、Aさんに防音対策の不備を指摘され、最終的に謝罪をしました。工事前の準備が不十分であったことが招いた結果でした。

このケースから、改めて準備の大切さを感じていただけたのではないでしょうか。
また、解体工事における近隣トラブル対策として、防音シートは非常に大切なものであるということもお分かりいただけたと思います。

防音シートとは

解体工事の永遠のテーマである防音対策。これに欠かすことのできない防音シートがどのようなものなのか確認していましょう。


解体工事で使われる防音シートは灰色が一般的です。そのため、どの工事現場で使われているものもみな同じようにみえます。しかし、ひとくちに防音シートといっても、それぞれに微妙な違いがあるのです。
防音シートには厚さが0.5mmから1mmのものがあります。当然、厚さがあるものほど防音効果が高くなります。
素材は耐久性のあるポリエステル基布にPVC樹脂をコーティング加工されたものが主流です。各メーカーごとによって異なりますが、一般的な大きさは概ね2m×3.5mで、重さは1枚10kgほどです。中には特殊防炎加工を施して、万一の出火の際には延焼を防止できるものもあります。

防音シートは耐久性に優れていますが、やはり布状のものなので破れてしまうことがあります。防音シートは1枚2万円ほどする高価なものです。そのため、破れた防音シートを使ってしまう業者もありますが、これでは周到な準備とはいえません。場合によっては、先にお話しした騒音トラブルに発展する可能性もあります。

こうした防音シートのほかにも、防音パネルというものがあります。防音パネルは板状で、非常に頑丈につくられています。耐久性はもちろん、防音効果も防音シートより優れています。

配慮の行き届いた業者を選ぶ

近隣への配慮を欠かすことのできない解体工事において、必要不可欠なのが防音設備です。
普段何気なく目にする工事現場の中で、人知れず活躍しているのが、防音シートと防音パネルなのです。
損傷のない防音設備を使うことをはじめ、しっかりとした防音対策を講じることは、円滑に工事を進める上で非常に重要です。こうした防音対策は、業者の良し悪しを反映するといっても過言ではないでしょう。
解体工事を行う際には、ぜひとも”プロフェッショナルの仕事”をする業者に依頼しましょう。あなたはもちろん、近隣の方々が最後まで気持ちよくいられるよう心がけることが大切です。