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住宅は何年住める? 建物の構造別を徹底解説

私たちが生きていく上で必要不可欠なもののひとつに住宅があります。私たちが生活を営む住宅にはさまざまな形がありますが、その代表的なものが建物の構造です。
住宅の構造として一般的なのは、「木造」、「鉄筋コンクリート造 (RC造) 」、「鉄骨造 (S造) 」の3種類です。
今回は、この3種類にスポットを当てて、それぞれの構造別にその寿命について確認していきましょう。
”住宅は何年使える?”、誰もが抱えるこの疑問を解消していきたいと思います。


耐用年数とは


不動産業界では、建物の「寿命」を表すものとして『耐用年数』という言葉がよく使われます。この言葉をそのまま受け止めると、”建物の耐久性が維持できる年数”と考えがちです。ところがこれは正確ではありません。
俗にいう耐用年数とは、正確には「法定耐用年数」といいます。売買の取引がつきものである不動産 (住宅) には、その評価が非常に重要となります。この評価額の公平を期すために定められた基準となるものがこの法定耐用年数、つまり耐用年数です。今回注目する3構造の耐用年数はそれぞれ以下の通りです。

木造 22年
鉄筋コンクリート造 (RC造) 47年
鉄骨造 (S造):骨格材の厚み 3mm以下 19年
         :骨格材の厚み 3mm超え 4mm以下 27年
         :骨格材の厚み 3mm超え 4mm以上 34年

上記の耐用年数は、それぞれの価値が維持できる年数、つまり「価値の寿命」です。この耐用年数と住宅の耐久性は、ほぼ比例していると考えて差支えありません。


住宅にはどれくらい住むことができるのか


前項では、法定耐用年数と耐久性はほぼ比例するとお伝えしました。例えば、木造住宅の耐用年数は22年ですが、これを超えてしまったからといって、住めなくなってしまうほどの欠陥が生じてくるというわけではありません。多くの住宅がその耐用年数以上に利用されています。

ここからは、”何年使えるか”という本来の意味での住宅の寿命をみていきましょう。これからお伝えするデータは寿命以外の理由で取り壊されたケースも含んで算出されていますので、あくまで平均寿命として参考程度に留めておきましょう。

木造住宅の寿命


木造住宅は日本で最も普及している住宅構造です。古くから日本では木造の住宅が一般的であり、私たち日本人に馴染み深い住宅構造です。現代では建築コストが比較的安いことや、湿気の多い日本の気候に合うことから、多くの人に選ばれています。
このように、私たちに親しみのある木造住宅ですが、その寿命は30~80年といわれています。こうしてみると、その寿命に大きな開きがみられますが、これは使われる木材の種類や立地、住宅の使い方、メンテナンスの有無によって現れたものです。
寺院や城など、歴史的建造物は総じて木造ですが、100年単位でその姿を留めているものが数多くみられます。これは行き届いたメンテナンスを欠かすことなく行ってきたためです。つまり、扱い方次第でその寿命は大きく左右されます。

鉄筋コンクリート住宅の寿命


鉄筋コンクリート造 (RC造) の寿命は40~90年といわれています。しかし、これにはマンションも含まれますので注意しましょう。
一般的にマンションのオーナーは莫大な費用を投じてマンションを建設します。そして初期投資した分を長期間に渡って賃料で回収していきます。そのため、マンションは一度建設するとそうそう取り壊されることはありません。こうした事情がデータに反映されているため、実際の寿命としては、もう少し短めに考えておいてもよいかもしれません。
とはいえ、鉄筋コンクリート住宅は風雨や火災に強く、加えて高い耐震性を誇ります。ですから、その耐久性が優れていることは間違いありません。
建築費用が高いことで知られる鉄筋コンクリート住宅ですが、それだけに長く住むことができます。鉄筋コンクリート住宅は”コストパフォーマンスの良い家”として世間では注目されています。こうしたことから、近年では、鉄筋コンクリート住宅を選ぶ人が増えています。

鉄骨住宅の寿命


鉄骨造の住宅は、使われている骨格材の厚みによってその寿命が変わってきます。当然、骨格材が厚い方が耐久性が高くなりますが、全体的にみてもそれほど寿命が長いとはいえないようです。鉄骨造の寿命は概ね30~60年といわれています。


長く住むそのために


以上、建物の構造別にそれぞれの寿命について解説しました。
日本における住宅事情は、木造住宅と鉄筋コンクリート住宅がその人気を二分しているような状況ですが、寿命という面からみてもそれに頷ける印象です。
どんな構造の住宅にも共通することですが、長く住むためにはやはり行き届いたメンテナンスが大切であることは間違いありません。
住宅はあなたを守ってくれるかけがえのない存在です。日ごろから愛情をもって、一日でも長く寄り添っていきましょう。

2019.10.31