解体工事の技法のひとつ「爆破解体」国内での解体事例
火薬を使用しての爆発で建物を解体する映像は、ニュースや映画のワンシーンなどで目にしたこともある方はおおいのではないでしょうか?大きな建造物が一瞬で崩れる場面は、迫力があり圧倒的です。アメリカや中国では主流である爆破解体について、「一体どんな技術がつかわれているのか?」「国内でもできるのか?」をまとめました。
高層ビルや学校や病院などの大きな建物を壊す際には、一気に作業をすすめられる爆破解体という技法が使用されるケースもあります。国内では見かけないので、爆破解体と言われてもピンとこない方も多いでしょう。そんな方にも分かりやすいように、爆破解体のあれこれを解説します。
簡単に説明すると、ダイナマイトや火薬を使用した爆発物を解体したい建物に設置して、一気に建物を崩すという方法です。爆発の威力により建造物の上部が下部を押しつぶし、その連鎖によって建物が垂直に崩壊します。そのシーンは圧巻で、解体日の当日にはたくさんの見物人が集まるほどです。
爆破解体の技術には、大きく分けて2つあります。ダイナマイトを起爆剤に使用した解体方法と、電気雷管を使用して解体する方法です。従来、ダイナマイトで吹き飛ばして建物の構造上、倒れるがままに解体する手法がメインでしたが、最近では安全性を考慮して電気雷管を用いる手法が目立っています。電気での爆破解体の場合、爆破したあとの様子が綿密に計算できるため、周囲への影響も考慮できます。
爆破解体の1番のメリットは、手っ取り早く建物を解体できることです。これによって、解体期間が短縮できたり、重機を使用しないためケガのリスク軽減になったり、人手もすくなくていいため人件費削減にもつながります。さらに近隣の住民にとっても、騒音や粉塵といった日々のストレスが一瞬で済むため、トラブルをさけるためにも爆破解体は有効と言えるでしょう。
爆破解体と聞くと、細かく計算してリスク分散をしたがる日本人のやり方とは真逆だなと感じる方もいるでしょう。また日本は、建物が密集しているため、どうしても土地柄的に難しい手法のように思えます。そんな爆破解体ですが、実は日本でも過去に数件の事例がありました。そのなかでも。規模が大きかった事例を2つ紹介します。
戦後、国内初の爆破解体が認められた事例で、1985年に茨城県筑波郡でおこなわれた国際科学技術博覧会「国際連合平和館」の解体があります。ワイヤーで補強されたコンクリートを使用したドーム型の建造物という特殊な構造をしているため、解体時にワイヤーがバネになって危険だという意見が解体時にでました。その結果、爆破解体が1番リスクが少ないのではという考えにいたり、1986年3月に実行されました。
滋賀県大津市にある観光ホテルとして建てられた「木の岡レイクサイドビル」の爆破解体は、国内ニュースで大きくと取り上げられたため、耳にした方も多いのではないでしょうか。工事の半ばに資金が底をついたため、放置されたビルはいっとき、暴走族のたまり場と化していました。
近隣からのクレームもあり、一刻も早く解体したいという事情から、爆破解体の許可がおりたという特殊なケースです。工事当日は、解体の瞬間を見るために中継用のヘリコプターやマスコミ、4万にもの見物人が集まったというエピソードもあります。
前項で紹介したほかにも国内でも数件の爆破解体の事例がありますが、海外の施行回数と比べなくとも圧倒的に少ないです。人件費も少なく、工事期間も短縮できるというメリットがあるにも関わらず、国内で爆破解体の事例が少ない理由として2つあげられます。
爆破解体のデメリットとして、解体時に粉塵や瓦礫がまわりに飛散することがあげられます。高いところから落下した瓦礫が、砕けて近隣の家屋を壊してしまう可能性も大いに考えられます。そのため建物同士の距離が近い日本では、許可がおりづらいのが現状です。
日本での火薬に対する規制は、海外よりも厳しいため、解体が目的であってもなかなか申請が通りません。細かく決められた法律があるせいで、条件をクリアできるケースが少ないです。さらに日本は地震国とも呼ばれるほど、常に地震による震災の危機にさらされています。建物も耐震強度をあげるため頑丈につくられているので、解体時の火薬の量を調整するのが大変難しいと言われています。このような事情により、爆破解体の技法を用いた工事は、国内では少ないとされています。
日本特有の近隣との距離の近さや、火薬の使用にうるさい点を考慮すると、爆破解体を国内で目にすることは、これから先もそうないと思います。メリット以上に日本での爆破解体は、デメリットが大きいのでしょう。とはいえ迫力あるアクション映画のワンシーンのような、爆破解体はどこか胸を躍らせますね。もし実際に目撃できるチャンスがあれば、ぜひ見逃さないようにしたいものです。
解体工事の技法である爆破解体とは?
高層ビルや学校や病院などの大きな建物を壊す際には、一気に作業をすすめられる爆破解体という技法が使用されるケースもあります。国内では見かけないので、爆破解体と言われてもピンとこない方も多いでしょう。そんな方にも分かりやすいように、爆破解体のあれこれを解説します。
爆破解体について
簡単に説明すると、ダイナマイトや火薬を使用した爆発物を解体したい建物に設置して、一気に建物を崩すという方法です。爆発の威力により建造物の上部が下部を押しつぶし、その連鎖によって建物が垂直に崩壊します。そのシーンは圧巻で、解体日の当日にはたくさんの見物人が集まるほどです。
爆破解体の技術
爆破解体の技術には、大きく分けて2つあります。ダイナマイトを起爆剤に使用した解体方法と、電気雷管を使用して解体する方法です。従来、ダイナマイトで吹き飛ばして建物の構造上、倒れるがままに解体する手法がメインでしたが、最近では安全性を考慮して電気雷管を用いる手法が目立っています。電気での爆破解体の場合、爆破したあとの様子が綿密に計算できるため、周囲への影響も考慮できます。
爆破解体のメリット
爆破解体の1番のメリットは、手っ取り早く建物を解体できることです。これによって、解体期間が短縮できたり、重機を使用しないためケガのリスク軽減になったり、人手もすくなくていいため人件費削減にもつながります。さらに近隣の住民にとっても、騒音や粉塵といった日々のストレスが一瞬で済むため、トラブルをさけるためにも爆破解体は有効と言えるでしょう。
国内での爆破解体の事例
爆破解体と聞くと、細かく計算してリスク分散をしたがる日本人のやり方とは真逆だなと感じる方もいるでしょう。また日本は、建物が密集しているため、どうしても土地柄的に難しい手法のように思えます。そんな爆破解体ですが、実は日本でも過去に数件の事例がありました。そのなかでも。規模が大きかった事例を2つ紹介します。
事例①国際連合平和館
戦後、国内初の爆破解体が認められた事例で、1985年に茨城県筑波郡でおこなわれた国際科学技術博覧会「国際連合平和館」の解体があります。ワイヤーで補強されたコンクリートを使用したドーム型の建造物という特殊な構造をしているため、解体時にワイヤーがバネになって危険だという意見が解体時にでました。その結果、爆破解体が1番リスクが少ないのではという考えにいたり、1986年3月に実行されました。
事例②木の岡レイクサイドビル
滋賀県大津市にある観光ホテルとして建てられた「木の岡レイクサイドビル」の爆破解体は、国内ニュースで大きくと取り上げられたため、耳にした方も多いのではないでしょうか。工事の半ばに資金が底をついたため、放置されたビルはいっとき、暴走族のたまり場と化していました。
近隣からのクレームもあり、一刻も早く解体したいという事情から、爆破解体の許可がおりたという特殊なケースです。工事当日は、解体の瞬間を見るために中継用のヘリコプターやマスコミ、4万にもの見物人が集まったというエピソードもあります。
日本では爆破解体が難しい理由とは?
前項で紹介したほかにも国内でも数件の爆破解体の事例がありますが、海外の施行回数と比べなくとも圧倒的に少ないです。人件費も少なく、工事期間も短縮できるというメリットがあるにも関わらず、国内で爆破解体の事例が少ない理由として2つあげられます。
近隣に粉塵が飛んで被害をだす可能性があるため
爆破解体のデメリットとして、解体時に粉塵や瓦礫がまわりに飛散することがあげられます。高いところから落下した瓦礫が、砕けて近隣の家屋を壊してしまう可能性も大いに考えられます。そのため建物同士の距離が近い日本では、許可がおりづらいのが現状です。
火薬の取り扱いが厳しいため
日本での火薬に対する規制は、海外よりも厳しいため、解体が目的であってもなかなか申請が通りません。細かく決められた法律があるせいで、条件をクリアできるケースが少ないです。さらに日本は地震国とも呼ばれるほど、常に地震による震災の危機にさらされています。建物も耐震強度をあげるため頑丈につくられているので、解体時の火薬の量を調整するのが大変難しいと言われています。このような事情により、爆破解体の技法を用いた工事は、国内では少ないとされています。
まとめ
日本特有の近隣との距離の近さや、火薬の使用にうるさい点を考慮すると、爆破解体を国内で目にすることは、これから先もそうないと思います。メリット以上に日本での爆破解体は、デメリットが大きいのでしょう。とはいえ迫力あるアクション映画のワンシーンのような、爆破解体はどこか胸を躍らせますね。もし実際に目撃できるチャンスがあれば、ぜひ見逃さないようにしたいものです。
2021.5.16