解体工事の際に重要な安全対策をご紹介!
近年解体工事業は適正な解体の推進や解体技術の高度化などにより、社会インフラの循環を支える事業としての重要性が増しています。私たちの生活を陰から支えている反面、危険を伴う工事でもあるため安全に対する細心の注意が必要になります。
この記事では解体工事で起こりうる事故事例と、その安全対策についてご紹介します。
安全な解体工事を行うには、実際にどのような事故が発生しているのかを知る必要があります。ここでは、解体工事で発生しがちな事例について解説していきます。
解体工事では重機を使用した作業が多いため、作業の最中に誤って近隣住宅の壁や塀を損傷させてしまうという事例があります。特にブロック塀などは解体対象の建物と密接していることもあるため、重機の操作を少し誤っただけで損傷させてしまうことがあります。
近隣住宅を損傷させてしまった場合は当事者同士で話し合い、今後の補修について相談することになります。
最近の建物にはアスベストが使われていないのですが、古い建物には当たり前のようにアスベストが使われています。アスベストは人体に多大な被害を与える可能性のある物質であるため、古い建物を解体する際には飛散への注意が必要になります。
2020年3月に政府は、解体する建物からのアスベスト飛散防止対策を強化する大気汚染防止法改正案を閣議決定しました。これにより、アスベストを含むすべての建材に規制が拡大され、工事前調査の都道府県への報告が義務付けられます。不適切な除去作業をした事業者には直接罰を導入することを決めたため、より細心の注意が必要になります。
解体工事を行う前には、建物の直下に配置されているガス管を撤去する必要があります。この作業を忘れてしまうと工事中にガス管を傷つけ、ガス漏れを引き起こす可能性があります。ガス漏れが起こると周囲の人の気分が悪くなるだけでなく、漏れたガスに火種が引火して爆発を引き起こすこともあります。
そのため、解体工事が決まったらガス停止とガス管撤去の連絡を行いましょう。これは施主が行うべきことで、適切なガス会社に連絡する必要があります。
解体工事の安全対策で重要なのは、通行人など当事者以外の一般人が事故に遭う可能性が高いということです。そのため通常の建設現場とは異なり、解体現場特有の事項として改善に向けた取り組みが必要になります。ここでは具体的な安全対策について紹介していきます。
危険予知活動はKY活動またはKYK活動とも呼ばれ、工事の際に起こり得る事故、工事現場に潜んでいる危険を予測し解決策を施すことで事故を未然に防ぐという活動です。作業員が日頃から行っている活動で、以下の4項目により成立しています。
作業内容にどのような危険が潜んでいるか、作業員同士で問題を指摘しあう訓練です。小さなミスでも事故につながる可能性があるため、そういった問題には常にアンテナを張る必要があります。
指摘内容が一通り出揃ったら、事故が起こる原因を追求します。追及する中で問題点の整理まで行います。
問題点を整理したら、作業員同士で改善策・解決策を考えていきます。上がった解決策を議論し、対策を樹立します。
改善策・解決策の議論の後、作業員全員の合意で全体目標を設定します。報告書をまとめ、作業員全員で目標を共有したうえで、実際の作業に移ることになります。
工事現場では事故が起きた際の被害を抑えるために、立ち入り禁止措置を行います。理由はコンクリート破砕片や鉄筋、鉄骨の切断片等の飛散により、一般の人々や作業員に危害を与える可能性があるからです。そのため解体作業区域を関係者以外の立ち入り禁止区域とし、必要に応じて監視員を置くなどの措置を行います。
国や自治体は、解体工事を含めた工事全般に関して安全を守るための規律を法律やガイドラインで定めています。2003年6月に国土交通省が策定した事故防止に関するガイドラインでは、「建築物の解体工事における外壁の崩落等による公衆災害防止対策」を定めています。
このガイドラインでは、特に「事前情報の提供・収集と調査の実施による施工計画の作成」「想定外の状況への対応と技術者等の適正な配置」「建築物外周の張り出し部、カーテンウォール等の外壁への配慮」「増改築部等への配慮」「大規模な建築物への配慮」「建築物の設計図書等の保存」に留意しなければならないと定めており、解体工事に対する注意を呼び掛けています。
この記事では、解体工事現場の事故事例と安全対策についてご紹介しました。いままで解体工事に携わったことがない方も、いずれ古くなった建物を解体することがあるかもしれません。また、解体工事中の現場に出くわすことも考えられます。
これからは安全に対する技術が進歩し、事故が起こりにくくなることが期待できますが、安全に注意するに越したことはありませんね。
この記事では解体工事で起こりうる事故事例と、その安全対策についてご紹介します。
解体工事の事故事例
安全な解体工事を行うには、実際にどのような事故が発生しているのかを知る必要があります。ここでは、解体工事で発生しがちな事例について解説していきます。
近隣住宅を損傷させる
解体工事では重機を使用した作業が多いため、作業の最中に誤って近隣住宅の壁や塀を損傷させてしまうという事例があります。特にブロック塀などは解体対象の建物と密接していることもあるため、重機の操作を少し誤っただけで損傷させてしまうことがあります。
近隣住宅を損傷させてしまった場合は当事者同士で話し合い、今後の補修について相談することになります。
アスベストが飛散する
最近の建物にはアスベストが使われていないのですが、古い建物には当たり前のようにアスベストが使われています。アスベストは人体に多大な被害を与える可能性のある物質であるため、古い建物を解体する際には飛散への注意が必要になります。
2020年3月に政府は、解体する建物からのアスベスト飛散防止対策を強化する大気汚染防止法改正案を閣議決定しました。これにより、アスベストを含むすべての建材に規制が拡大され、工事前調査の都道府県への報告が義務付けられます。不適切な除去作業をした事業者には直接罰を導入することを決めたため、より細心の注意が必要になります。
ガス漏れが起こる
解体工事を行う前には、建物の直下に配置されているガス管を撤去する必要があります。この作業を忘れてしまうと工事中にガス管を傷つけ、ガス漏れを引き起こす可能性があります。ガス漏れが起こると周囲の人の気分が悪くなるだけでなく、漏れたガスに火種が引火して爆発を引き起こすこともあります。
そのため、解体工事が決まったらガス停止とガス管撤去の連絡を行いましょう。これは施主が行うべきことで、適切なガス会社に連絡する必要があります。
安全対策
解体工事の安全対策で重要なのは、通行人など当事者以外の一般人が事故に遭う可能性が高いということです。そのため通常の建設現場とは異なり、解体現場特有の事項として改善に向けた取り組みが必要になります。ここでは具体的な安全対策について紹介していきます。
危険予知活動
危険予知活動はKY活動またはKYK活動とも呼ばれ、工事の際に起こり得る事故、工事現場に潜んでいる危険を予測し解決策を施すことで事故を未然に防ぐという活動です。作業員が日頃から行っている活動で、以下の4項目により成立しています。
現状把握
作業内容にどのような危険が潜んでいるか、作業員同士で問題を指摘しあう訓練です。小さなミスでも事故につながる可能性があるため、そういった問題には常にアンテナを張る必要があります。
本質追求
指摘内容が一通り出揃ったら、事故が起こる原因を追求します。追及する中で問題点の整理まで行います。
対策樹立
問題点を整理したら、作業員同士で改善策・解決策を考えていきます。上がった解決策を議論し、対策を樹立します。
目標設定
改善策・解決策の議論の後、作業員全員の合意で全体目標を設定します。報告書をまとめ、作業員全員で目標を共有したうえで、実際の作業に移ることになります。
立ち入り禁止措置
工事現場では事故が起きた際の被害を抑えるために、立ち入り禁止措置を行います。理由はコンクリート破砕片や鉄筋、鉄骨の切断片等の飛散により、一般の人々や作業員に危害を与える可能性があるからです。そのため解体作業区域を関係者以外の立ち入り禁止区域とし、必要に応じて監視員を置くなどの措置を行います。
国や自治体が定める安全対策
国や自治体は、解体工事を含めた工事全般に関して安全を守るための規律を法律やガイドラインで定めています。2003年6月に国土交通省が策定した事故防止に関するガイドラインでは、「建築物の解体工事における外壁の崩落等による公衆災害防止対策」を定めています。
このガイドラインでは、特に「事前情報の提供・収集と調査の実施による施工計画の作成」「想定外の状況への対応と技術者等の適正な配置」「建築物外周の張り出し部、カーテンウォール等の外壁への配慮」「増改築部等への配慮」「大規模な建築物への配慮」「建築物の設計図書等の保存」に留意しなければならないと定めており、解体工事に対する注意を呼び掛けています。
最後に
この記事では、解体工事現場の事故事例と安全対策についてご紹介しました。いままで解体工事に携わったことがない方も、いずれ古くなった建物を解体することがあるかもしれません。また、解体工事中の現場に出くわすことも考えられます。
これからは安全に対する技術が進歩し、事故が起こりにくくなることが期待できますが、安全に注意するに越したことはありませんね。
2020.8.1