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解体業者の選び方

解体工事施工技士の資格と仕事を徹底解説!

一体どんな資格なの?解体工事施工技士の魅力と仕事内容とは?



建造物の解体を行う際に必要となる、技術管理者になることができる「解体工事施工技士」とはどんな資格なのでしょうか?資格や試験、そして解体工事施工技士としての仕事について、この記事で解説します。

解体工事施工技士とはどんな仕事?


国土交通省が所管する、解体工事施工技士という資格があります。この資格は、建造物の解体において、解体工事技術、廃棄物の適正処理、建設リサイクル法に準じた施工管理能力を認定して、解体工事業に従事する現場管理者となることができる資格です。この記事では、この解体工事施工技士について、その仕事や資格の内容なども詳しく解説していきます。

解体工事施工技士とはどんな資格?仕事の内容・魅力は?


解体工事施工技士は、解体工事を行うための解体工事業の登録・施工に必要な「技術管理者」になることができる資格です。国土交通省が管轄する国家資格であり、「建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律」に規定された登録試験となります。根拠法令は「解体工事業に係る登録等に関する省令に基づく国土交通大臣登録試験」、「建設業法施行規則に基づく国土交通大臣登録試験」です。この解体工事施工技士試験の受験資格は、まず、原則として解体工事実務経験年数8年以上、学歴・指定学科卒業によって必要実務経験を短縮という資格要件があります。実務経験年数の短縮については、大学卒業社であって、指定学科を卒業した者は1年6ヶ月以上、指定学科以外を卒業した者は2年6ヶ月以上。短期大学・高等専門学校(5年制)を卒業した者は、指定学科を卒業した者は2年6ヶ月以上、指定学科以外を卒業した者は3年6ヶ月以上、高等学校を卒業した者は、指定学科を卒業した者は3年6ヶ月以上、指定学科以外を卒業した者は5年6ヶ月以上となっており、これ以外の者は8年以上とされています。試験は四肢択一式と記述式で行われ、90分で50問の択一問題、120分で記述式問題を回答する必要があります。出題範囲は、土木・建築の基礎知識、解体工事施工の計画、解体工事施工管理、解体工法、解体用機器、安全管理、環境保全、副産物・廃棄物対策、関連法規となっています。この試験に合格した場合には、まず合格証明書が交付されます。また、本人の申請に基づき毎年発行される「解体工事施工技士登録者名簿」に登録され、登録した場合には登録症(賞状タイプ)と、資格者証(カードタイプ)が交付されます。解体工事施工技士の登録の有効期限は5年間となっており、更新講習を受講することによって更新が可能です。常に、最新の情報を得続けるということになります。さて、このように実施される解体工事施工技士ですが、現在、全ての解体工事を行う際に必須の資格ではありません。ただし、公共物件の解体工事であって、発注者(公的機関)から解体工事施工技士の配置の指定があった際にはこの解体工事施工技士の配置が必要となります。現状では確かに、多くの解体工事において解体工事施工技士が必須とはされていないものの、今後の解体工事においては、解体工事施工技士の現場への配属が必須・義務化されるのではないかという見通しは、多くの現場関係者が持っている見解です。というのには理由があります。日本は現在、空き家が非常に多くなっており、自治体においても空き家を活用する取り組みを行いつつ、またあまりにも劣化していて周辺に危険が及ぶ建物に関しては、速やかな撤去を推進しています。このような解体工事の需要増加と、適切な解体工事の実施に、解体工事施工技士は不可欠な存在なのです。たとえば、解体工事施工技士は、ただ単に解体に関する専門家であるというだけではなく、解体工事現場の安全管理、環境保全、そして副産物・廃棄物対策とそれに係る関連法規などへの理解も身に着けた資格保有者であるということです。特に産業廃棄物に関しては、建物に使用されていて、ひとたび飛散すれば多くの健康被害を招く恐れがあるアスベスト(石綿)などの廃棄物に対する取り扱いなど、解体工事施工技士がその知見を活用して、建物の解体工事を効率的に、なおかつ正確な手順で進めていくことがこれからの時代にとって重要であるといえるでしょう。また、これから必要となる解体工事の対象となる物件は、通常の一般家屋だけではなくなってきています。大規模で複雑な物件の解体工事も、これから増えてくることが予想されています。このことから、こうした物件の解体工事においても、解体工事施工技士が活躍していくことが期待されているわけです。

解体工事施工技士として働くには?


解体工事施工技士は、その他の建築系や土木系の資格などと同様に、求人誌や求人サイトにおいて募集がかけられています。求人誌や求人サイトにおける解体工事施工技士の募集は、通常の募集と同様に、施工、管理、設計などを職務内容として募集がなされているわけですが、解体工事施工技士は、単に社員としての募集だけではなく、解体工事施工技士の資格を持っていることによって、資格手当を受けることができる場合もあります。資格を必須としている仕事とは異なり、社員として採用しておき、資格を持っている場合には資格職として配属となる場合もありますし、そもそも募集の段階で有資格者を求めている場合もありますので、あらかじめ求人募集の内容をしっかりと確認しておく必要があるでしょう。このような事態となった事情としては、先に述べたような社会情勢の変化がひとつ理由として挙げられますが、このほか、解体工事をとりまくもう一つの状況の変化があります。現在、解体工事などのいわゆる「現業職」系の仕事も、いわゆる「職人」がいればいいという現場ではなくなり、適切な知識と経験を持っている有資格者が、現場をマネジメントする、という状況にあります。職人は数も減り、若い職人見習いは現場で作業に従事することはあっても、現場の工事の進捗を管理するというポストにはつきにくいことからも、こうした専門的な資格職のポストがあることは、時代のニーズに沿っているといえるでしょう。

解体工事施工技士の待遇や給与は?


いわゆる「解体屋」さんと言われている解体工事の職人については、古くからある仕事であります。いわゆる現場系の仕事であるため、体力的につらいであるとか、あるいは怪我をしたり、最悪は命の危険があるのではといわれるケースもあります。解体業の技術者は、他の現場職の仕事に比べて、1~2割程度高いお給料が支払われるケースが多いのですが、解体工事施工技士の場合には、こうした解体工事に従事する職人と比べて、さらに資格手当がありますので、さらに待遇面では不満を抱きにくいといえるでしょう。待遇に関して、特筆するほどのことはありませんが、実は解体工事関連の仕事というのは、あまり認知はされていませんが、これから大きな需要のあるお仕事であるといえます。というのも、かつて家屋のメーカーが次々と建てた家が、一斉に解体工事の対象となっているケースがあります。建物自体が寿命を迎えている場合ももちろんありますし、また、住んでいる人が高齢化したり、亡くなってしまったことで空き家となってしまっているケースもあります。これらの建物は、すでに解体する以外になく、解体工事待ちという場合や、単に解体するだけではなく、アスベストなど、単に廃棄物として処理するのではなく、法令・法規の定めに従って適切に処分しなければいけないものもあります。こうしたものについては、解体工事施工技士がその適切な知識と知見でもって管理・処分することが求められます。解体工事施工技士試験は、必要な経験年数の要件があり、また試験自体も国家試験であり、試験の合格率は56.4%と、しっかり対策をする必要のある試験ではありますが、このように解体現場の総合的な管理を遂行する重要な仕事であるといえます。これから次々と必要となる解体工事現場という場面において、活躍の場面がある解体工事施工技士という仕事にチャレンジしてみるのもよいでしょう。単なる「解体屋さん」ではなく、より広汎に解体現場の管理をしたいという方は、検討してみるとよいかもしれません。

まとめ
解体工事施工技士は、解体工事の重要性が増してきた現代において、注目されている資格・仕事であります。解体工事の現場を総括する職業として、大変やりがいのある仕事ですので、解体工事の現場を総合的に指揮してみたいという方は、受験を検討してみるとよいでしょう。

2019.8.29