どうしたらいい?解体工事の手順や流れを詳しくご紹介
鉄筋コンクリート造の建築物の解体工事は大規模になります。解体工事をはじめるとき、どの作業から取りかかれば良いのかわからない方も多いのではないでしょうか。今回は、解体工事を進める手順をご紹介します。
解体工事を始める前にまず事前準備が必要です。4つの項目に分けてご紹介します。
解体工事は、大きな重機を使って行います。そのため、周辺の道路状況の確認は必須です。また、ガスや水道、電気などの公営企業管理者に問い合わせ、さらに立ち会い確認をすることで、安全に解体工事を始める準備が整います。また、近隣家屋の状況を確認しておくことも必要です。
事前調査に基づき、解体工事の施工計画を作成します。解体工事計画だけではなく、安全管理計画や環境保全計画、廃棄物処理計画など、さまざまなことの計画を立てることを忘れないようにしましょう。この経過に基づいて解体工事が行われるので、計画の作成は解体工事の要の手順になります。
解体工事をする際に、必要な資格や許可が揃っているかを確認します。労働安全衛生法、建設リサイクル法、廃棄物処理法、有害物に関する法令など、各種法令に基づいた処置が必要です。
解体工事は大規模工事です。騒音など、近隣住民の方に迷惑をかけてしまうことが少なくありません。そのため、解体工事を始める前に、近隣住員を対象とした説明会を開催することが必要です。近隣住民の理解を得られなければ、解体工事を始めることができません。
事前準備ができたところで、次の手順、準備作業に取り掛かりましょう。
作業員を対象に安全ミーティングを行いましょう。一人ひとりが安全への意識を高く持っておかないと、事故発生の可能性が高まってしまいます。このときに、有資格者の確認も行っておくと良いでしょう。重機を運転する際の免許、特定化学物質作業主任者技能講習修了者、コンクリート造の工作物の解体等作業責任主任者技能講習修了者など、工事に合わせた資格の確認が必要です。
解体工事に使う機械や工具、保護具、救急用具を点検します。小さな気づきが大きな事故へつながってしまいます。点検は怠らずに毎日行いましょう。
事前調査に基づいて、周辺の状況を確認しましょう。電気、ガス、水道が分岐点で閉塞されているかを確認します。また、周辺の障害物を除去し、重機の作業場所や解体した廃材を置くスペースなどを確保することも必要です。その際に、出入り口や重機の通路を塞がないように注意が必要です。
準備の手順が終わったら、いよいよ解体工事が始まります。仮設工事、内装解体からはじめます。
安全のため、解体工事を始める前に仮設工事を行います。仮囲いを作ることで、関係者以外立ち入り禁止措置をとることができます。対象の建築物に対する足場の組み立てもこの段階で行います。どの仮設工事を行う際にも、倒壊しないように建設することが必要です。
次に内部の撤去や解体を行います。内部に残存物があったら、最初に撤去しましょう。処分する際には、家電リサイクル法などに従って適切に処置をすることが必要です。アスベストやヒ素などの有害物質を含んでいる部分もあるかもしれないので、十分に注意して作業を行いましょう。
大きな建築物の解体工事には階上解体を使います。低い建築物の場合は、階上解体は行わずに、地上解体のみを行います。
階上解体は重機を上の階まで運んで解体作業を行います。そのため、長さ調節ができる鋼管製の支柱である強力サポートの搬入が必要です。解体階下2階まで強力サポートを組み立てます。災害対策のために必要な手順です。
重機を搬入し、クレーン車によってそれを吊り上げて重機を屋上まで運びます。クレーン車は、平坦で堅固な場所で使用します。屋上に重機を乗せる際には、床が崩壊する危険があるので、下に人がいないことを必ず確認しましょう。
最上階から解体していきます。解体が終了したらその部分の足場を外します。この手順を地上解体が可能になる高さまで続けます。廃材が出た場合には、随時搬出していきましょう。
地上解体が可能の高さになったら、重機を搬出します。
地上から作業できる高さの建築物は地上解体という方法を使って解体します。階上解体を使って作業を進めていた場合も、地上から届く高さまできたら、地上解体で解体作業を進めていきます。
必要な重機を搬入します。重機は平坦で堅固な場所で使用しましょう。
最上階から階下に向かって解体作業を進めます。スラブ、梁、壁、柱の順に解体していきます。足場は外壁の解体直後に外します。最後の1階になるまでこの手順を繰り返します。解体した廃材は、コンクリートと鉄板に分別ながら集積し、随時搬出していきます。
最後に、地下の基礎部分を解体します。地下埋蔵物を確認し、まず、土間基礎を解体します。その次に地中梁、フーチングを解体します。コンクリートの塊などの廃棄物は、分別して搬出します。
解体工事に使用した重機の搬出です。監視員設置し、安全に場外へ搬出しましょう。
全ての部分が解体されたら最後に後片付けです。
解体工事の前に建設した仮囲いなどを撤去します。仮囲いを撤去した後も引き続き第三者の侵入がないように注意しましょう。
作業終了時、工事終了時には報告書を提出します。元請業者及び自社への報告のみではなく、近隣住民にも報告が必要です。
今回は、鉄筋コンクリートの解体手順をご紹介しました。解体工事には様々な種類があるので、それぞれの工事に合わせた適切な資格や手順を取ることが必要です。わからないことがある場合には、専門家に相談をして不安がない状態で工事を始めることが良いでしょう。また、解体工事は、規模の大きな工事です。常に危険と隣り合わせなので、一つひとつの手順を安全に行いましょう。
1.事前準備
解体工事を始める前にまず事前準備が必要です。4つの項目に分けてご紹介します。
周辺状況の確認
解体工事は、大きな重機を使って行います。そのため、周辺の道路状況の確認は必須です。また、ガスや水道、電気などの公営企業管理者に問い合わせ、さらに立ち会い確認をすることで、安全に解体工事を始める準備が整います。また、近隣家屋の状況を確認しておくことも必要です。
計画の作成
事前調査に基づき、解体工事の施工計画を作成します。解体工事計画だけではなく、安全管理計画や環境保全計画、廃棄物処理計画など、さまざまなことの計画を立てることを忘れないようにしましょう。この経過に基づいて解体工事が行われるので、計画の作成は解体工事の要の手順になります。
法令に基づく措置
解体工事をする際に、必要な資格や許可が揃っているかを確認します。労働安全衛生法、建設リサイクル法、廃棄物処理法、有害物に関する法令など、各種法令に基づいた処置が必要です。
近隣へ周知
解体工事は大規模工事です。騒音など、近隣住民の方に迷惑をかけてしまうことが少なくありません。そのため、解体工事を始める前に、近隣住員を対象とした説明会を開催することが必要です。近隣住民の理解を得られなければ、解体工事を始めることができません。
2.準備作業
事前準備ができたところで、次の手順、準備作業に取り掛かりましょう。
安全ミーティング
作業員を対象に安全ミーティングを行いましょう。一人ひとりが安全への意識を高く持っておかないと、事故発生の可能性が高まってしまいます。このときに、有資格者の確認も行っておくと良いでしょう。重機を運転する際の免許、特定化学物質作業主任者技能講習修了者、コンクリート造の工作物の解体等作業責任主任者技能講習修了者など、工事に合わせた資格の確認が必要です。
機械、工具等の点検
解体工事に使う機械や工具、保護具、救急用具を点検します。小さな気づきが大きな事故へつながってしまいます。点検は怠らずに毎日行いましょう。
周辺の状況の確認
事前調査に基づいて、周辺の状況を確認しましょう。電気、ガス、水道が分岐点で閉塞されているかを確認します。また、周辺の障害物を除去し、重機の作業場所や解体した廃材を置くスペースなどを確保することも必要です。その際に、出入り口や重機の通路を塞がないように注意が必要です。
3.仮設工事、内装解体
準備の手順が終わったら、いよいよ解体工事が始まります。仮設工事、内装解体からはじめます。
仮設工事
安全のため、解体工事を始める前に仮設工事を行います。仮囲いを作ることで、関係者以外立ち入り禁止措置をとることができます。対象の建築物に対する足場の組み立てもこの段階で行います。どの仮設工事を行う際にも、倒壊しないように建設することが必要です。
内部の撤去、解体
次に内部の撤去や解体を行います。内部に残存物があったら、最初に撤去しましょう。処分する際には、家電リサイクル法などに従って適切に処置をすることが必要です。アスベストやヒ素などの有害物質を含んでいる部分もあるかもしれないので、十分に注意して作業を行いましょう。
4.階上解体
大きな建築物の解体工事には階上解体を使います。低い建築物の場合は、階上解体は行わずに、地上解体のみを行います。
事前準備
階上解体は重機を上の階まで運んで解体作業を行います。そのため、長さ調節ができる鋼管製の支柱である強力サポートの搬入が必要です。解体階下2階まで強力サポートを組み立てます。災害対策のために必要な手順です。
重機搬入
重機を搬入し、クレーン車によってそれを吊り上げて重機を屋上まで運びます。クレーン車は、平坦で堅固な場所で使用します。屋上に重機を乗せる際には、床が崩壊する危険があるので、下に人がいないことを必ず確認しましょう。
階上解体作業
最上階から解体していきます。解体が終了したらその部分の足場を外します。この手順を地上解体が可能になる高さまで続けます。廃材が出た場合には、随時搬出していきましょう。
重機搬出
地上解体が可能の高さになったら、重機を搬出します。
5.地上解体、基礎解体
地上から作業できる高さの建築物は地上解体という方法を使って解体します。階上解体を使って作業を進めていた場合も、地上から届く高さまできたら、地上解体で解体作業を進めていきます。
重機搬入
必要な重機を搬入します。重機は平坦で堅固な場所で使用しましょう。
地上解体
最上階から階下に向かって解体作業を進めます。スラブ、梁、壁、柱の順に解体していきます。足場は外壁の解体直後に外します。最後の1階になるまでこの手順を繰り返します。解体した廃材は、コンクリートと鉄板に分別ながら集積し、随時搬出していきます。
基礎の解体
最後に、地下の基礎部分を解体します。地下埋蔵物を確認し、まず、土間基礎を解体します。その次に地中梁、フーチングを解体します。コンクリートの塊などの廃棄物は、分別して搬出します。
重機搬出
解体工事に使用した重機の搬出です。監視員設置し、安全に場外へ搬出しましょう。
6.後片付け
全ての部分が解体されたら最後に後片付けです。
仮設物の撤去
解体工事の前に建設した仮囲いなどを撤去します。仮囲いを撤去した後も引き続き第三者の侵入がないように注意しましょう。
作業終了報告書の提出
作業終了時、工事終了時には報告書を提出します。元請業者及び自社への報告のみではなく、近隣住民にも報告が必要です。
終わりに
今回は、鉄筋コンクリートの解体手順をご紹介しました。解体工事には様々な種類があるので、それぞれの工事に合わせた適切な資格や手順を取ることが必要です。わからないことがある場合には、専門家に相談をして不安がない状態で工事を始めることが良いでしょう。また、解体工事は、規模の大きな工事です。常に危険と隣り合わせなので、一つひとつの手順を安全に行いましょう。
2020.2.15