解体業者の選び方

解体工事では、建物を破壊する際に、重機を使用したり、瓦礫や木材を移動させるため、どうしても大きな音が発生してしまいます。そういった音も一定程度の大きさを超えると「騒音」となり、近隣住民の方から、苦情が来てしまいます。
苦情が来てしまうと、現場の士気や施工期間に影響を及ぼし、施工主の今後のご近所づき合いにも影響を及ぼすかもしれません。そもそもどの工事にも言えることですが、苦情が発生しないことが望ましいです。では、この騒音問題どのように対処したら良いのか見ていきましょう。

 

騒音は発生して仕方ないもの？

解体工事による騒音。そもそも解体工事による騒音に遭遇したことがある人はあまり多くは無いと思います。しかし、似たような騒音に皆さんは遭遇したことがあると思います。道路工事による騒音です。

道路工事も目的は違えど、騒音を発生させるものです。道路工事の音を想像して頂ければわかりやすいかと思います。家の構造により、施工期間に差はありますが、1週間から2週間の間、騒音が続いたら、普段通り生活するのも一苦労です。ストレスがたまっていく一方だと思います。

そうはいっても、解体工事は中止することが出来ない、さらに、騒音や振動、粉塵等は付きものなので、例え、施工業者の工夫により、騒音を小さくすることは出来ても、完全に無くすことは出来ません。よって施工業者にはこうした騒音問題に対する近隣住民への何かしらのフォローが求められます。

 

騒音に関する法律

騒音を規制する法律として、「騒音規制法」があります。
環境省の資料によると、「工場・事業所や建設作業から発生する著しい騒音を規制するとともに、自動車から発生する騒音の許容限度を定めることにより、人々の生活環境を保全し、健康を保護するため 」に制定されたとあります。
簡単に申し上げますと、「あまりにひどい騒音は規制の対象となりますよ。」ということです。ちなみに騒音の上限規制は85db（デシベル）です。この単位は、振動や音の大きさを測る単位として使われています。この85db以上の音を出してしまうと、規制の対象になってしまうということです。

 

85dbってどれくらいの大きさなの？比べてみよう

東邦精機株式会社の資料によると日常生活で「静かだ」と感じる音の大きさが45db以下です。この2倍近くの大きさが、騒音に関する上限規制の大きさとなっています。ちなみに80dbで、「窓を開けた時の地下鉄」や「ピアノの音」と同じレベルだそうです。さらに上の90dbになると、「大声」、「犬の鳴き声」、「大声による独唱」と同じくらいの音の大きさになります。
しかし、裏を返してしまえば、「窓を開けた時の地下鉄」ぐらいの音の大きさの解体工事ならば、法律上は何も問題が無いことになってしまいます。いくら法律で許されているとはいえ、恐らく近隣住民の方は我慢できず、苦情を言ってしまうこともあるかもしれません。

 

トラブルを避けるにはどうしたらよいのか？

騒音によるトラブルを避けるためには、2つの方法があります。
1つ目は、工事前に行う挨拶回りです。一般的に、解体業者の方が、施工主に代わって、ご近所への挨拶回りをしてくれる場合もありますが、ご近所の方の中には、施工主が挨拶に来ないことに納得しない方もいるので、出来れば解体業者の方と一緒に施工主の方も一緒に行くのが吉です。
その際に、石鹸やタオルなどの手土産を持っていくとより、挨拶に対して、納得が得られるため良いです。その際は、手土産を受けとってもらう事が大事なので、あまりにも高額すぎる品物は避けたほうが良いでしょう。やはり、事前に挨拶の1つがあるだけで、物事の捉え方も変わると思います。事前の挨拶があるかないかでは、トラブルの発生率も雲泥の差があるでしょう。これから、解体工事を考えている方はこれらのことを頭に入れて、業者選びや工事に臨みましょう。

2つ目は、騒音を少しでも小さくすために、解体工事を行う際に様々な工夫をすることです。具体的には、養生シートで建物しっかりと囲うことです。
また、防音性、遮音性が高い養生シートを使うとさらに音を遮断することが出来、騒音を少しでも抑えることが出来ます。こちらは、完全に音を遮断するわけではないので、1つ目に紹介した、「挨拶回り」と合わせて行うことが効果的です。また防音性の高いシートを使う場合追加で料金が掛かることがあるので、相談してください。

 

まとめ

解体工事に伴って、どうしても騒音は発生してしまうものです。騒音に関しては、法律できちんと規制されているものの、どうしても、苦情が発生してしまうものです。そうした苦情に対しては、「挨拶回り」や「そもそも騒音が出にくいように、工事中に工夫する」と言った方法があります。こうした対策により、円滑に解体工事を進めることが出来ます。