解体業者の選び方

解体工事を業者に頼む際に気になるのは金額ですが、同じように心配なのが工事の期間です。どれくらいかかるのかの目安を知っておくことで、その後の流れもスムーズにいきます。今回は一般的にどれくらい解体工事に時間がかかるのか、どの様なことが原因で工期が遅れることがあるのかなど紹介していきます。

解体工事を経験することは少ないだけに、何を気にしなければいけないか分からいないこと多いでしょう。もちろんどれくらいの費用がかかるのかを知っておくことも大切ですが、同じようにある程度の解体工事の期間を知っておくことも必要です。工事が早く終わるにこしたことはありませんが、工事が長引いてしまうことによって、いろいろなトラブルにもなりかねません。解体工事期間の目安を知り、工事が遅れる原因や解決方法などを確認しておきましょう。

解体工事の基本的な工程

まずは解体工事がどの様な流れで解体完了まですすめられているのかを見ていきましょう。解体の内容によって少し異なりますが、今回の記事では一般的な家屋を例にとって紹介していきます。

まずは見積もり

工事の依頼者が、業者と初めて接触するのが見積もりの依頼からです。見積もりは電話やメールのみで出してもらえることもありますが、可能であれば一度現地を見てもらうことがおすすめです。より正確な見積もりを出してもらうこともできるうえに、家屋内に大量にある処分品の相談をはじめ、解体工事で不安な点があれば聞いておきましょう。また、実際に会うことでどの様な対応をする業者なのかの確認にもつながるため安心です。

工事前に行うこと

見積もり確認後、業者と契約を交わして発注となるのですが、解体工事は騒音や粉塵等をはじめとして、近隣に迷惑をかけることになるため、工事が始まる前に挨拶は済ませておくほうがいいでしょう、また、電気やガスなど、ライフラインに関しては停止・撤去の依頼をしておきましょう。電気やガスの停止連絡をしないまま工事を進めてしまい、重機でガス管や電線を傷つけてしまうと重大な事故になりかねないので注意が必要です。

工事完了までの流れ

解体工事はまずは建物本体の周りにある外構撤去から始めます。建物本体は高所作業があるために、まわりに足場を組み立てていきます。その際に近隣に迷惑がかからない様に防音シートなどをかけます。次に建物内部の住宅設備機器や建具、不用品など手作業でできるものから撤去していきます。その後、家屋本体を重機を使って取り壊していき、地中に埋設物がないかの確認もしていきます。取り壊しで出た廃材は、木材、鉄、プラスチック、コンクリートガラなど分別し、処理場に運搬します。解体後は地面を整地して、廃材が残っていないかの確認後工事完了となります。工事終了後は建物滅失届の手続きも忘れず行うことが大切です。

解体工事の工期の目安

解体では、実際の工事期間に加えて工事前の見積もりや現地調査からはじまり、工事後の書類提出までかかります。さらに解体する建物の大きさや構造によっても工期が異なるのですが、一体全体でどのくらいの日程がかかるのかの目安を紹介していきます。

一般的な解体期間

おおよその30坪（約100平米）程度の木造家屋を解体する場合は、工事だけなら1週間から10日程度が目安となってきます。それよりも小さい納屋や倉庫などは2～3日、200平米前後であれば2週間から20日、それ以上は1カ月近くかかります。他に屋根材に使用されているのが瓦である場合や残存物が多い場合など、手作業の工程や建物以外の処分作業が加わるとプラスαで日程が伸びていきます。工事前の準備や工事後の書類手続き等の作業も考えると、一般的な家屋の解体には、おおよそ1カ月から2か月ほどかかります。

構造別でも異なる解体期間

構造上の違いによっても日程はかわります。例えば木造で3日から10日かかる工事でも、鉄骨造では10日から20日、鉄筋コンクリート造では2週間以上かかります。つまり木造の建物であれば比較的早く解体ができるのですが、鉄骨造や鉄筋コンクリート造になるとさらに多くの日程がとられるのです。解体工事の工期は規模だけでなく、構造でも日程が伸びる場合があるということを覚えておいてください。その他、時間がとられそうな要因がないか見積もり段階で実際に見てもらってください。

解体工事が遅れたら

おおよその目安はお伝えしましたが、実際工事を進めていくと、いろいろな理由によってスケジュール通りに進まない場合が出てきます。一体どの様な理由で解体工事が遅れるのでしょうか。こちらでは遅れる原因を探っていきます。

解体工事が遅れる理由

外の現場で密接に関係してくるのが天候との関係です。通常の雨程度では特に問題がないのですが、雨が続くと地盤が弱ってなってくるために重機が思うように使用できない可能性がでてきます。さらに、台風や大雪の場合も作業が中断することがあります。そのため、1年の間でも6月から7月は梅雨、9月から10月は台風、12月から2月は大雪の心配があり遅延が出る可能性が高いと言えるでしょう。天候以外でも遅れる理由はあります。重機が利用できないための工期の遅れや、地中埋設物の処理、近隣からのクレームによる中断などによって、大幅に遅れる可能性も出てきます。

工事を遅延させない方法

工事を遅延させずに進めてもらう方法としては、先程の工事の遅れる原因にも記載した遅延の可能性がある時期の解体を避け、解体する季節を選ぶことです。また、それ以外にも遅れる要因は複数あるため、できるだけスケジュールに余裕をもって工程を組んでもらうことが必要です。また、どれくらい工事が進んでいるのか、定期的に進捗を報告してもらうことも大切です。さらに、近隣に対する騒音やホコリの配慮などもしてもらうことで、クレームによる中断をおこさせないようしてもらいましょう。

まとめ

解体工事では解体する建物の大きさや構造上の問題だけでなく、様々な要因で工期が決まってきます。そのために見積もり時にどれくらいかかるのか事前に確認が必要となります。また、工事が始まってからも、天候の問題やその他の原因で日程が長引く可能性があるため、あらかじめ余裕をもったスケジュールで取り組んでもらうようにしましょう。くれぐれも無理に急がせて、解体工事で怪我人が出てしまっては、それこそ大幅に遅れてしまうので安全第一に考えてください。