解体業者の選び方

空き家や建物の撤去を考えるときに、気になるのは解体工事の費用。
ですが身近で頻繁に発生する工事ではないため、あまり馴染みがなく「どのくらい費用がかかるのか分からない」と疑問に感じる方が多いのではないでしょうか。

そこでこの記事では、解体工事の前に知っておきたい一般的な解体工事の費用相場と内訳について解説します。

最後までお読みいただくと建物の解体費用についての概要を知ることができ、解体工事業者を選ぶときの参考になります。

 

解体工事の費用を決める3つの要素

まずは解体工事費用の一般的な決まり方について。解体工事の費用を決める要素は大きく分けて以下の3つです。順番に解説します。

 

【解体費用の要素1】建物の構造

1つ目は建物の構造です。
構造は、建物自体の解体費用に大きく関わる要素になります。構造を知るポイントは「建物が何でできているか」「何階建てか」です。

建物の造りは大きく分けて「木造」「鉄骨」「鉄筋コンクリート」の3つ。この順番に建物は頑丈になり解体時は取り壊しにくくなります。それに伴って費用は高くなります。
また「建物が何階建てなのか、地下があるのか」なども解体の手間や業者人数などが変わるため費用に影響します。

建物の構造によって解体に手間がかかり費用が高くなる、ということです。
解体費用を知りたい場合、まずは解体したい対象の建物の構造を調べてみましょう。

 

【解体費用の要素2】建物の広さ

2つ目は建物の広さです。
建物自体の解体費用は、一般的に上記で説明した建物の建材と坪単価で決まります。一般的な1坪当たりの解体費用（坪単価）は、建材が「木造」なら１坪あたり約３万円～５万円、「鉄骨」は１坪あたり約４万円～6万円、「鉄骨コンクリート」は１坪あたり約４万円～8万円です。

解体したい建物の坪数に上記の坪単価をかけるとおよその費用が分かります。
この建材ごとの坪単価は解体業者によるため、ホームページを見たり問い合わせをしたりして調べましょう。

 

【解体費用の要素3】建物の立地

3つ目は建物の立地です。
解体時には足場を組んだり、重機を搬入したりと道具や環境を整える必要があります。解体現場のすぐ隣に家や道路があったりすると、足場を組みにくかったり重機が入るスペースがなかったりします。そのため解体時の環境を整える工程や時間がかかるのです。

そのため解体現場の立地も解体費用に大きく影響します。詳しい費用は解体業者によりますので、問い合わせや見積もりで確認しましょう。

以上が解体工事費用を決める3つの要素です。建物自体の解体費用が知りたいならば、まずは解体する建物の「構造」「広さ」「立地」を調べてみましょう。

 

解体工事の一般的な費用の内訳

解体工事は「建物自体の解体費用」のほかにも、さまざまな費用が発生します。解体工事は高額のため、依頼する前に発生する可能性のある追加費用や諸費用は把握しておきたいもの。

以下では、一般的な解体費用の内訳を解説します。

 

建物の解体費用

解体工事の総費用の多くを占めるのが、建物の解体費用です。建物を取り壊すときに発生する費用全般を指します。足場を組んだり、防音シートを設置したりする解体前の準備から建物の解体するまでに使用した重機使用料や人件費などです。

上記で解説した通り、建材によっては解体までの時間や工程が変わるため費用に大きく影響します。

 

廃棄物の処理費用

建物の解体費用に続き、解体工事総費用の多くを占めるのが廃棄物の処理費用です。解体すると木材や基礎コンクリート、ブロックなど多くの廃棄物が発生します。解体業者は建設リサイクル法に基づき、多くの廃棄物を正しく分別して処理する必要があります。また建材にアスベストが含まれる場合は、アスベスト撤去や処理費用が別途発生します。

 

付帯工事の費用

付帯工事とは、解体する建物以外に発生する工事費用を指します。庭木やブロック塀、倉庫、井戸などを撤去するための工事費です。解体業者に実際に見積もりしてもらって、発生の有無が分かります。

 

整地の費用

整地の費用とは、解体後に土地をきれいに整えるための費用です。解体した後は障害物や建物の破片などのごみが残りがち。解体後に土地をどのように利用するかにもよりますが、一般的に解体後は整地作業をするため費用が発生します。

 

その他諸費用

上記で解説した費用以外にもさまざまな諸費用が発生します。
建設リサイクル法や道路使用許可書、建物滅失登記申請などの申請費用や、アスベスト調査費、工事をするときに近隣住民へのあいさつの際に渡す粗品などです。

以上が建物の解体費用の一般的な内訳です。詳細費用を知りたい方は解体工事業者に現地を確認してもらい、見積もりをしてもらいましょう。

 

解体工事業者は複数調べ見積もりを比較

上記で解体工事の費用相場や概要、一般的な費用の内訳を解説しましたが、最終的に解体費用が決まるのは依頼する解体業者によります。ですが、解体業者は多数あるためどの業者に依頼するか迷う方もいらっしゃるでしょう。中には違法業者が紛れていることもあります。

そのため解体業者を選ぶときは、1社でなく複数の業者を調べて比較しましょう。解体業者のホームページで許可の占有を確認したり、解体業者が行政処分を受けていないかを自治体に問い合わせたりします。

また、複数の解体業者から見積もりをとりましょう。見積もりを複数とることにより解体費用はもちろん、業者の対応や見積書の記載内容を比較でき、違法業者でないかを調べられるからです。

法律に基づいて適正な処理をし、安心して依頼できる解体業者を選びましょう。

 

まとめ

以上、建物の解体工事の費用相場や内訳、解体業者の選び方について解説しました。

馴染みがなく分かりにくい解体工事ですが、解体工事について費用相場や内訳を事前に理解しておくことが大切です。金銭的な損得もですが、違法業者に依頼してトラブルに巻き込まれるといった被害を防げるからです。

事前に解体工事や費用について知り、納得できる解体工事をしましょう。