解体業者の選び方

解体工事の際のトラブルは、今後の近所との人付き合いに大きく影響を与えます。出来る限りの対策をし、地域住民への配慮をしっかりと忘れずに工事に取り組みましょう。

地域住民への配慮

解体工事を行う際に、もっとも多くクレームが発生する原因は工事する周辺の地域住民との関係にあります。工事前に工事の規模や期間などをしっかり説明することによりクレームを未然に防ぐことができます。ここでは、実際に多く挙げられるクレームの例やそれに対する対策を紹介してきます。

騒音や粉塵への対策

解体工事で最も多く寄せられるクレームは、工事で生じる騒音や粉塵に対するクレームです。解体工事は重機を使って作業することが多いため、どうしても騒音や粉塵が生じてしまいます。このクレームに対する対策としては大きく２点あります。一つ目は、工事を行う前に地域住民にどの時間帯、どのくらいの期間、工事の規模の大きさなどを伝えることです。事前に工事内容を伝えることによって迷惑をおかけするという配慮や誠意を表すことができます。ほとんどの場合、解体工事業者が地域住民への挨拶を行ってくれますが、この際施主も一緒に挨拶回りを行うことでより誠意を示すことができます。二つ目の対策は、養生シートや防音シートの設置です。少しでも騒音や粉塵を抑えるために工事の際に養生シートを設置することは必須です。悪質な解体業者は養生シートを設置しなかったり、ボロボロの養生シートを使うことがあります。しっかりと依頼する解体業者にどのように騒音や粉塵対策を行うのかを確認することでより安心して解体工事を行うことができます。また、粉塵対策として作業中に散水を行うことで被害を最小に抑えることができます。

路上駐車への対策

ある程度解体工事の規模が大きいと重機や廃材を運ぶための工事車両が多く必要となります。なにも説明がないまま住宅地などに路上駐車することは、近隣住民やその道路を通らなければならない人たちに多大なる迷惑をかけることに繋がります。敷地内に停められる場所がない場合には、事前に地域住民へそのことの旨を伝えることが重要です。地域住民に許可をもらった場合でも、できるだけ近隣のコインパーキングに駐車してもらうなど事前に取り決めをしておきましょう。また、道路使用許可を警察に申請を行うことで道路を通行止めにすることもできます。申請してから１日～３日ほどで取得が可能になるので、事前に準備をしましょう。また、騒音規制法によって工事を行える時間帯が午前７時から午後７時と決められているので、通行止めにできる時間帯はその前後の３０分を含めた午前６時半から午後７時半となります。

実際にクレームが来た場合

どれほど地域住民への配慮を欠かさずに工事をおこなっても100%クレームを未然に防ぐことはできません。苦情を言うと解体業者が和解金を出す場合があるため、中には言いがかりをつけて金銭を要求する人も存在します。また、クレームを受けた後の対応を不適切に行うと裁判にまで発展する場合もあります。ここでは、実際にクレームがきてしまった場合、どのように対応をすれば良いのかご紹介していきたいと思います。

まずは施主本人が謝罪する

実際にクレームがあった場合、すぐ解体業者に対応を求めるのではなく、施主自ら直接対応することが大切です。しっかりと何が起こったのかを把握し、相手の気持ちを酌むことで誠意を示すことに繋がります。そして、次に解体業者に近隣住民へ対して対応をするよう促しましょう。解体工事を行う中で、騒音などのどうしてもご迷惑をお掛けしてしまう仕方のない部分もありますが、迷惑を最低限に抑える工夫は必要です。また、謝罪が済んだ後も1日〜３日後くらいに「その後大丈夫ですか」と声をかけることによって丁寧な印象を与え流ことができます。

最悪の場合は弁護士に相談

トラブルがなかなか治らない時には、最終手段として弁護士に依頼することも手段の一つです。中立な立場の弁護士を挟んで話を進めることで、お互い納得がいく解決が見つかるかもしれません。また、弁護士に依頼をする時には、いきなり弁護士を立てるのではなく、まずは、解体業者と近隣住民との話し合いの上で決めるようにしましょう。いきなり弁護士を呼ぶことにより、今後近隣で生活する近隣住民にとってコミュニケーションに影響が出てしまいます。また、クレームがあった場合には、クレームがあった日時、クレーム内容の発言は記録して残しておくことをお勧めします。後で弁護士に相談する際にも客観的な記録として大変役に立ちます。

まとめ

解体工事によるクレームを最小限に抑えるために一番大切なことは、地域住民への配慮です。工事前には、解体工事業者だけでなく、施主自身もしっかりと挨拶回りを行い工事内容を説明し、迷惑がかかるかもしれないということを伝えましょう。また、解体業者を選ぶ際にも、しっかり地域住民への配慮がなされているか確認を行うようにしましょう。料金が安いからといった理由で解体工事業者を選んでしまうと後にトラブルへと発展してしまう恐れがあります。また、実際にクレームを受けた際には、とにかく迅速に謝罪を行うことが重要です。