解体業者の選び方

解体工事と聞くと騒音や振動などの問題が浮き彫りとなってきます。解体工事の騒音にまつわる法律やもしご近所の人と騒音に関してトラブルが起きてしまった場合。ご近所や周辺住民の方への施工前のご挨拶など騒音に関する情報を徹底的に紹介します。

解体工事はうるさいというイメージは誰しもが持っていると思います。自分が工事の依頼人となって業者に解体工事をお願いする際に、騒音問題は気になる問題の一つです。環境省の騒音規制法施工状況調査では全体の三分の一の苦情が建設作業で発している音であると結果として残っている。解体工事では大きな重機を使う上に、鉄骨造であるとさらに騒音は大きくなります。自分がもし依頼主となる場合にトラブルを避けるにはどうしたらいいのか気になるところです。

今回は、解体工事を行う際のトラブル回避方法から法律での決まりまで紹介していきます。

 

解体工事の騒音に関する法律

まずは、環境省が定めている騒音に関する法律を説明します。「騒音規制法」です。これは工事現場などで発生する騒音に関して必要な規制を行い、生活環境と国民の保護・保全を目的とした法律です。

あまりにもひどい騒音はこの法律の対象となります。具体的な内容としては各都道府県知事が騒音に関して規制する地域を指定します。そこで環境大臣が作業時間帯や日時、曜日の基準を定めます。一般的な住宅街でのこの法律から見た基準を明記すると、

・作業時間帯　　午後7時～午前7時に行われないこと
・作業期間　　　１日あたり10時間以内　連続6日以内
・作業日　　　　日曜日、その他の休日ではないこと
・騒音の大きさ　敷地境界において85デシベルを超えないこと

85デシベルは、聴覚的にうるさいと感じ、走行中の地下鉄車内よりうるさく、カラオケよりは静かな状態です。

 

騒音トラブル

騒音でトラブルになるケースは多いです。例えば、日中に解体工事を行う場合で考えます。ご近所の家にも人があまりいないのであまり考えることなくできる場所もあります。

しかし、都心や在宅ワーカーの人がいたり様々な人がいる場合も考えるとトラブルは考えられます。しかし、騒音を完全に除いて解体の作業は不可能です。基本的には近隣住民が多少我慢することが大切となってきます。だからと言って安心するのではなく騒音に関する事前の準備が大切です。

騒音の度が過ぎたり、事前に工事の有無を知らせてなかったりすると、本格的な訴えにつながります。実際に、裁判が起こった実例もあります。裁判にならずとも、工事の中止を余儀なくされたケースもあります。工事が一時的に中断となると、工事の予定や値段にも影響がかかってきます。依頼主としては避けなければならないトラブルです。

そこで、トラブル回避するにはどうすればいいのかを紹介していきます。

業者にお願いする騒音トラブル回避術

騒音をゼロにすることは不可能ですが、少しでも減少することは可能です。解体業者側としっかりとコミュニケーションを取ることが大切です。

まずは、作業時間をしっかりと守ってもらうことです。上記に記載したように、法律的に定められた作業時間帯があります。それ以外にも依頼人と業者間で午前10時から夕方16時までといったしっかりと時間を固定することが大切です。近隣の方がしっかりと時間を知ることでトラブルは減るでしょう。

次に、音を減らす工夫をすることです。解体の際に重機を使うことになるとさらに騒音は増します。そこで、遮音の効果がある防音シートの「養生シート」を使うことで騒音を抑えることができます。工事現場でよく使われている建物全体を覆っているシートをかけることで防音だけでなく粉塵も抑えることができます。一般的な解体業者はしっかり準備しますが、中には用意しない業者もいるので見積書が出る際に確認することが大切です。このシートを使うことで騒音に関するトラブルは最小限になります。

 

依頼主からみる騒音トラブル回避術

解体業者が、騒音に関するトラブルを回避するために働きかけることも大切です。しかし一番大事なのは、依頼主自らがまず働きかけることです。近隣の方が解体工事に関して理解し、クレームが入らないようにすれば何もトラブルは起きません。解体工事を行う前に、周辺住民に一軒一軒回って挨拶をすることが大切です。その際に、挨拶状も一緒であると尚いいでしょう。
基本的には、業者側が用意してくれますが、用意してくれない場合もあります。その場合は自分で用意する必要があります。もう一つ、依頼主ができる対策として、解体工事中に作業現場での見回りをすることです。実際に足を運ぶことによってどれくらい音が出ているのか感じることによって業者側に案を出すこともできます。これらの、対策を行うことで、大きなトラブルは防ぐことができます。業者ばかりに頼るのではなく、依頼人側からのアクションも欠かせなくなっています。

 

まとめ

解体工事を行う際に問題として上がるのが「騒音」です。いざ、自分が依頼主となり解体工事を依頼すると騒音問題から発展してご近所トラブルになるのが不安の一つです。決してゼロにすることはできないので近隣の人の理解が大切となってきます。

依頼主と業者が協力しあって工事を進めていくことが騒音問題を起こさないために重要です。